OCEANS

SHARE

■コンセプト メルセデス・マイバッハEQS

コンセプト メルセデス・マイバッハEQS
コンセプト メルセデス・マイバッハEQS。航続可能距離は約600km。フロントバンパーは単なる板状ではなく細かな細工がほどこされている。
先日、ようやく日本にもメルセデス・マイバッハGLS600 4マチックが導入され、「これがSUVの頂点か」と思っていたら、早くも新たな頂きが提案された。
それが「コンセプト メルセデス・マイバッハEQS」だ。
エンジンと比べ、はるかに静かなモーターで滑るように走る電気自動車は、ラグジュアリーカーとの相性は抜群だが、理由はそれだけではないらしい。
よく見るとLEDヘッドライトの周囲は小さなマイバッハのエンブレムが備えられている。芸が細かい。
マイバッハを求めるようなセレブは「何か特別なもの」を求めると、メルセデス・マイバッハは説明する。また近年はセレブも若年化傾向で、ラグジュアリーの定義も変化しているというのだ。
「お客様の多くは高度にデジタル化されており、当社のデジタルソリューションに最高の要求をしています。また、自分が選んだブランドには、持続可能な価値を支持し、環境に責任を持つことを期待しています」。
だからこそ電気自動車であることは大前提。そのうえでマイバッハEQSは最先端のデジタル化が推し進められているのだ。
リアライトも、近づいて見るとらせん状の模様が施されていて、点灯した際に独特な輝きを放つ。
マイバッハだと誰もがわかるピンストライプのグリルを備えたEQSに近づくと、ドアグリップがスッと浮き上がる。
さらに近づけばドアが自然に開き、乗員は手を触れることなく車内へと乗り込めるという。ほかにもドライバーが「ハイ、メルセデス。後ろのドアをあけて」とEQSに話しかければ、後席ドアがスッと開く仕組みまであるという。
この音声認識で有名な最新機能「MBUX」はさらに、前席に備わる端から端まで延びたスクリーン上でも大いに活躍する。
近未来的なステアリング。インパネ部分は左右目一杯までデジタルディスプレイで覆われる。
例えばドライバーと助手席側でそれぞれ別のコンテンツを表示できるが、ドライバーが助手席側のモニターをチラチラ見ていると、安全運転を促すために、自動的に助手席側のディスプレイを減光して見えないようにする。
またその時々の状況や、これまでの流れを察して、ディスプレイには最も重要なアプリケーションが常に最初に表示されるため、サブメニューを探し回る必要はないという。
花瓶は標準装備。季節に応じた花を活けることで、忙しいセレブの心を癒やす狙いのようだ。もちろん、車内で快適にくつろげるように、折りたたみ式のテーブルやシャンパングラス、食器類、冷蔵庫も備えることができる。
電気で走り、ひと足先の技術まで盛り込まれているコンセプト メルセデス・マイバッハEQS。
「もうちょっと先だろうな」と思うかもしれないが、来年にはベースであるメルセデス・ベンツのEQSを量産すると同社はいう。
ということは、マイバッハEQSの登場もそう遠くはないはずだ。
 
籠島康弘=文


SHARE

次の記事を読み込んでいます。