■コンセプト メルセデス・マイバッハEQS
先日、ようやく日本にも
メルセデス・マイバッハGLS600 4マチックが導入され、「これがSUVの頂点か」と思っていたら、早くも新たな頂きが提案された。
それが「コンセプト メルセデス・マイバッハEQS」だ。
エンジンと比べ、はるかに静かなモーターで滑るように走る電気自動車は、ラグジュアリーカーとの相性は抜群だが、理由はそれだけではないらしい。
マイバッハを求めるようなセレブは「何か特別なもの」を求めると、メルセデス・マイバッハは説明する。また近年はセレブも若年化傾向で、ラグジュアリーの定義も変化しているというのだ。
「お客様の多くは高度にデジタル化されており、当社のデジタルソリューションに最高の要求をしています。また、自分が選んだブランドには、持続可能な価値を支持し、環境に責任を持つことを期待しています」。
だからこそ電気自動車であることは大前提。そのうえでマイバッハEQSは最先端のデジタル化が推し進められているのだ。
マイバッハだと誰もがわかるピンストライプのグリルを備えたEQSに近づくと、ドアグリップがスッと浮き上がる。
さらに近づけばドアが自然に開き、乗員は手を触れることなく車内へと乗り込めるという。ほかにもドライバーが「ハイ、メルセデス。後ろのドアをあけて」とEQSに話しかければ、後席ドアがスッと開く仕組みまであるという。
この音声認識で有名な最新機能「MBUX」はさらに、前席に備わる端から端まで延びたスクリーン上でも大いに活躍する。
例えばドライバーと助手席側でそれぞれ別のコンテンツを表示できるが、ドライバーが助手席側のモニターをチラチラ見ていると、安全運転を促すために、自動的に助手席側のディスプレイを減光して見えないようにする。
またその時々の状況や、これまでの流れを察して、ディスプレイには最も重要なアプリケーションが常に最初に表示されるため、サブメニューを探し回る必要はないという。
電気で走り、ひと足先の技術まで盛り込まれているコンセプト メルセデス・マイバッハEQS。
「もうちょっと先だろうな」と思うかもしれないが、来年にはベースであるメルセデス・ベンツのEQSを量産すると同社はいう。
ということは、マイバッハEQSの登場もそう遠くはないはずだ。
籠島康弘=文