たくさんの服を見て、着てきたオーシャンズ編集部員が感動した服について語り合う本企画。
前編の続きは、アウトドア好きな部員による感動のアクティブウェアから!
アクティブウェアにだって感動の要素が詰まっている
江部 少し話の角度を変えてさ、蒲池は趣味のアウトドアに関連するもので感動した経験ってないの?
蒲池 直近だと、ビューティ&ユースで見たエル・エル・ビーンのブルゾンが良かったですね。別注でロゴがオールブラック仕上げになっていて、いい意味でアウトドアすぎないというか。でも、これは感動というよりは、素直に着たいという衝動に近いのかなぁ。
三橋 エル・エル・ビーンで思い出したのがカンタータの次の春夏シーズンに出るバッグ。学生時代、エル・エル・ビーンの「ポート・アンド・トートバッグ」をボロボロになるまで使い込んでいたんですよ。
カンタータのトートバッグは大容量だし、高級レザーの切り替えもあってまったくの別物なんだけれど、郷愁を誘う仕掛けにやられてしまった。昔、夢中になったアイツが大人に相応しい仕様になって帰ってきたぞ、みたいなワクワク感ですね。これはある種の感動だと思いますよ。
江部 ほら、やっぱり“定番のアップグレード”じゃん。文明堂じゃん(
前編参照)。
笹岡 気に入ってるんですね。
蒲池 あとは今冬のキャンプに着ていきたいと思ったのがノンネイティブのフリースセットアップ
(1)。カジュアル服としてもバランスが良くて、ポケット位置とかのディテールもニクいんですよ。フリースのセットアップは世間的にも注目アイテムでしょうから、多分即完売だろうな……。
江部 なるほどね。オーシャンズでも散々提案してきたシティウェアとアクティブウェアの融合だな。そもそもアウトドアウェアを街で着るって、すごく日本人的な発想なんだけれども。
三橋 ランニングシューズとしてリリースされた「エア マックス」シリーズやバッシュの王道「ジョーダン」シリーズがストリートの象徴になったのも、日本が始まりみたいですね。
藤井 高機能なウェアや靴の街使いが次第に当たり前になり、次のフェーズでもっと街に馴染むデザインに進化していった。そこに僕たちが感動しているということですかね。
江部 だろうね。今季出るデンハムと241がコラボレーションしたスノーボードウェア
(2)がその好例。完全に雪山仕様の服だけれど、家からそのまま着てスキー場に向かっても成立するよう、丈感やシルエットを微調整。ファッションとアウトドアの境界線ギリギリ、ちょうどいいバランスをうまく表現している。これもなかなか感動的な出来栄えだよ。
蒲池 その目線ならもっと出てきますよ。ノンネイティブの「ハイカーパンツ」がそうですし、ホワイトマウンテニアリングの2021AWコレクション
(3)も圧倒的でしたよね。トマムの雪山の中で繰り広げられるショーの映像は、本来非現実的な空間なはずなのに、リアリティを感じた。ファッションとアウトドアの境界線がなくなっていくかのような。
三橋 ダウンジャケットだってそもそもは冬登山向けの防寒具ですよね。機能性とスマートなファッション性を兼ね備えたヘルノのダウン
(4)なんて、さらにサステイナブルまで徹底していて、すごいですよ。
蒲池 ナルトトランクスのボードショーツ
(5)も、立体的な縫い合わせによるはき心地が完璧だから、水陸両用で使えて感動ものです。
江部 いやいや、キミは最近まったく波乗りしてないじゃないの。
蒲池 あ、やっぱりバレました?
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