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EV導入がリアルに感じる一台

「変態」と思われてもおかしくないほどの車好き(笑)。これまでも多種多様な車を所有しては手放したりして、現在は、各所に保管しつつ計5台ほど。
そんな中でもフルに活用しているのが、Gクラスとスマート ブラバスのカブリオ。Gクラスは3台目、スマートは2台目で、足かけ20年ほど愛用中です。僕の車選びのポイントは、いわば「唯一無二の存在感」。
そんななかでEQAは、そろそろ電気自動車が自分にとってリアリティのある存在になり始めていることを感じさせる一台。満充電時の航続距離が400km以上あるのは、安心ですね。
ただ、自分はインテリアスタイリストなので、家具の積載ができるサイズ感が必須。だから、実際に導入するとなると、Vクラス程度のEQが出たら、愛車のGクラスから乗り換えてしまうかも。
でも、それすら呑気に待っていられないほど、EQAには惹かれています。やはり、リモート会議全盛の時代、アイドリングなしで電気が使える。これは、非常に魅力的。ノートPC一台あれば、リース移動中に、空き時間を使ってミーティングができたりする。いわば移動オフィスになりますよね。
40代も半ばを過ぎましたが、いつまでもアーリーアダプターでありたい自分にとっては、この過渡期の時代に、いち早くEVを楽しんでみたい、そんな気分にさせる唯一無二の存在ですね。
インテリアスタイリスト
窪川勝哉
雑誌やTV、カタログなど、20年以上第一線で活躍中。大学講師も務める。現在乗っているGクラスは色を塗り替え、内装はマハラム社ファブリックに張り替えて、独自のカーライフを謳歌。
 

メルセデスの美点はそのままに

「自動車の父」と呼ばれているのが、ドイツ人のゴットリープ・ダイムラー。1883年、彼は今のエンジンの基となるフォーストロークエンジンを完成させ、それを四輪車に搭載した。これが現在のメルセデス・ベンツの原型で、だからメルセデス・ベンツもまた、エンジン車の生みの親であると言える。
で、エンジン車の父であるメルセデス・ベンツが「エンジンは時代遅れになるから、電気自動車にシフトしたい」と言い出した。
これがどういうことかというと、何代も続く老舗の蕎麦屋の跡取りが、「もう蕎麦なんて時代遅れだから、ラーメン屋を始めたい」と言い出すのに近いかも。てなことを考えながら、メルセデス・ベンツのEQAに試乗する。
ドアを開け、運転席に乗り込む。視界の良さ、ボディの四隅を把握しやすい親切設計など、これはメルセデスそのものだ。走り出してみると、無音・無振動のモーターによるふんわりと浮かぶような加速感がBEV(バッテリー電気自動車)っぽい。
一方で、しっとりとした乗り心地やコーナーでの安定感、そして何より、車に守られている安心感は、メルセデス・ベンツの美点そのものだ。
つまり長い時間をかけて蕎麦屋で培ってきた秘伝の出汁や麺の茹で方、締め方、あるいは接客やメニュー構成のノウハウなどは、すべてラーメン屋の開業に活かされているということだ。おそらく、蕎麦屋の顧客はそのままラーメン屋に移行すると想像する。
モータージャーナリスト
サトータケシ
フリーランスのライター/エディター。ここ2〜3年で、取材を通じて何十人ものオリンピアに会ってきたので、親戚のおじさんのようにドキドキしながらテレビ観戦していたとか。
 



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