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2021.09.05

ライフ

女優・中村アンが私服で語った至福の時間「家でゆっくり映画やドラマを観るときかな」

今注目の人に、人生を楽しむためのヒントを聞くインタビュー。登場してくれたのは女優の中村アンさんだ!
女優・中村アンさんにインタビュー「今までやってきた経験がようやく自信につながった」

家でゆっくりと映画やドラマを観る時間が最高の至福

「おはようございます!」大きなバッグを抱えながら中村がメイクルームに姿を現すと、場が華やいだ。
人を笑顔にする花束みたいな存在感は、優しくて人懐っこい。今回は中村自身も一緒に仕事をしたいと思っていたフォトグラファーとの撮影ということもあり、ワクワクしつつもリラックスした様子がうかがえる。
バッグの中身は私服。なんと今回は、中村自身の私服での登場だ。もちろん本人のスタイリング。
「初めての『オーシャンズ』さんですし、皆さんと相談しようと思いまして」と大量に私物を持ち込んでくれた。艶やかで蠱惑的な大人の女性の顔を見せたかと思いきや、おしゃまな小学生然とした、いたずら交じりの笑みを浮かべるなど、スタイルごとに表情がころころと変わる。
そんな中村のFUN-TIMEは意外にも家でのおこもり時間。「こんなご時世ということもありますが」と、前置きをしつつ静かに語る。
「家でNetflixやHulu映画やドラマを観たりして、ゆっくりすることが楽しいんです。
20代の頃はがむしゃらにジムに通うなど、『何かしなきゃ』と気持ちばかりがはやっていましたが、最近はようやくプライベートな時間を自分の好きなように過ごしていいと思えるようになりました。いろんな映画を観て次回作の準備をしつつ、英気を養っています。
コロナ禍が明けたらゴルフをやりたいな。何度かやったことはあるのですが、当時はトレーニングの一環だったので、今度はちゃんとレジャーとして楽しみたいです」。
私服を大量に準備してくれたことからもわかるとおり、仕事への真摯な姿勢は昔から変わらない。「最初の頃はとにかく必死でした……(笑)」と笑みを浮かべながら追想する。
「どんな仕事でも、求められる結果以上のものを残そうと思っていました。目の前にあることをちゃんとやって次につなげるという作業しかしていなかったので、ある日、それが急に止まると不安になったりして。
25歳でテレビ番組に呼んでいただけるようになったのですが、最初はくらいついていくのに必死で大変でした」。
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「今なら切ってもいいかな、と思って」


知名度の上昇とともに、女優としてのオファーも届くことになるが、演技の経験はほぼゼロ。毎日が試行錯誤の連続だったという。
「芝居は学芸会以来でしたし、しかも私は芝居がしたくてこの世界に入ったわけではなかったので、最初は仕事に対して後ろ向きでした。
普通の女の子がいきなりプロに交ざって芝居をするわけですから、そりゃあ大変ですよね(笑)。でも学生時代のチアリーディングで培った負けず嫌いな性格と旺盛な好奇心のおかげで、何とかこれまで続けることができました。
2年前に出演させていただいたドラマ『グランメゾン東京』あたりから、演じることの楽しさみたいなものを感じられるようになった気がします」。
先日、トレードマークである長い髪をバッサリと切って話題になった。中村にとって髪をかきあげる仕草は、デビュー以来キャラクターを象徴する大事なものだった。
「切るときはドキドキしました」と言いつつも、どこか人ごとのよう。
「イメージのせいか、今まではキャリアウーマンや敏腕秘書といった、いわゆる“できる女”の役をいただくことが多かったんです。でもそうじゃない自分も見てほしいと思っていたタイミングで、ドラマ『着飾る恋には理由があって』の話をもらい、これは良い機会だと思って切っちゃいました。
今までやってきた経験が最近ようやく自分の中で自信につながって、今なら切っても大丈夫! って思えたんです。もちろん髪は大事な武器でしたが、もうこれからはいらないかなって」。
女優として新たな気持ちで臨めるようになったことで、また新たな壁が生まれたという。自虐トーンで語るのは彼女のサービス精神の表れだ。
「メディアの方にはよく『健康的な美BODY』などと言われていますが、ぶっちゃけ芝居のときはそんなのいらないじゃないですか(笑)。
知人から言われたことですが、人に光と影があるとするなら私の場合はイメージ的に光の人間、というか光しかなくて、それだと表現の幅としてカラッとしすぎていると。普通の女の子として生きていくぶんには魅力的かもですが、演技を生業にしていく身としては、影の部分を増やさなきゃいけないんです。
これはいろんな人生経験を積まないと表れないと思うので、これから意識していこうと思います」。
後編では出演作『マスカレード・ナイト』について詳しく伺う。
中村アン●1987年、東京都生まれ。9月17日(金)公開の映画『マスカレード・ナイト』に出演。ベストセラー作家、東野圭吾が描く『マスカレードシリーズ(集英社刊)』は、累計発行部数450万部を突破。前作『マスカレード・ホテル』は興行収入46.4億円の大ヒットを記録した。中村さんは物語のキーパーソンのひとり、奥田真由美役を熱演。
松岡一哲=写真 渡嘉敷愛子=ヘアメイク オオサワ系=文

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