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2021.09.07

ニュース

震災から10年。宮城県・女川町に“マッシュ”が作った公園が見る明るい未来


宮城県・女川町に突如現れた、全長12mもの巨大な「ウミウシ」。コレ、実は公園の遊具である。
東日本大震災から今年で10年。甚大な被害を受けて以来、今日まで復興に向けて歩を進めてきた港町に、子供たちの“遊び場”が戻ってきたのだ!

「マッシュパーク 女川」と名付けられたこの公園は、コスメキッチンなどを展開するマッシュホールディングスが女川町に寄贈したものだ。一体どんな場所なのか、広報の牧野 霞さんに聞いてみた。
「私たちは“子供たちに最高の笑顔を届ける”ことをコンセプトに、2016年からチャリティイベントを行ってきました。この公園は、イベントの収益や社内のチャリティキャンペーンへの寄付金をもとに建設したんです」。
遠方からも訪れたくなるようなアートな公園を目指したと、牧野さんは話す。

公園があるのは、女川の美しい海が見渡せる海岸沿い。広い敷地内に点在する不思議な形をしたビビッドカラーの遊具は、すべて海の生物をイメージしたものだ。
例えばコレ、なんの生物がモチーフかわかる?

正解は、チンアナゴ!
これは全長が最大3.5mもある「ちんあなごくん」という遊具。ほかにも冒頭のウミウシを象った「うみうしくん」や「ひとでくん」、「さんごちゃん」「かいちゃん」なんかもある。

遊具はどれも、子供が自由な発想で遊ぶうちにクリエイティビティが養われるようなものばかり。

こちらの「ひとでくん」は、遊具の内側から空を見上げると、万華鏡のような不思議な景色が広がる。地面に日の移ろいとともに形を変える星の影が映るのも面白い。

「うみうしくん」や「さんごちゃん」は、大きな滑り台やトンネル、突起のある斜面……と想像力が掻き立てられる遊具だ。
見晴らしのいい公園には、大人が子供を見守りやすいという利点もある。

「大切にしたのは、“子供たちが本当に興奮できる”こと、そして何より“安全に遊べる”ことです。コンクリート製の遊具は表面をゴム素材でコーティングし、滑りにくいよう加工しているので、小さなお子さんでも安心して遊べます。
この公園がこれからの未来を作っていく子供たちにとって、笑顔になれる場所になってほしいですね」(牧野さん)。
10年前、被災した自治体の中でも早い復興を遂げてきた女川町。この街の新たなシンボルとなりそうなこの公園に、ぜひいつか出かけてみてほしい。
 
[スポット詳細]
「マッシュパーク 女川」
住所:宮城県牡鹿郡女川町海岸通り2番地
詳細はこちら
齋藤久美子=文


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