古着好き世代の記憶の扉をノックし続ける、リーバイス® ビンテージ クロージング。今季もまた、心揺さぶられる復刻モデルがお目見えした。
稀少なビンテージ・リーバイス®といえば、せっかく古着店で見つけても、べらぼうな金額に手も足も出せず悔しい思いをしたものだ。そんな原体験を持つ我々だからこそ、中途半端な復刻では満足できないのも事実である。
そこで今回は、古着の名店・ベルベルジンのディレクターを務める藤原 裕さんに協力を依頼。リーバイス®の歴史を紐解きながら、復刻デニムの出来栄えをガチ検証した。
話を聞いたのは……
「1947 501®」
完成された一本をはく喜びよ
デニム生地で仕上げられ、ポケットの補強にリベットを使った
リーバイス®が“ジーンズ”を発表したのは1873年。1890年には、品番統制によりロットナンバーとして「501®」が商品に初めて付けられた。
そして第二次世界大戦が始まると、あらゆる物資が軍の統制下に置かれることに。リーバイス®もその煽りから逃れることはできず、一部のリベットは取り除かれ、ブランドの顔であるアーキュエイトステッチをペンキで描き、自社のアイデンティティを守ったのだった。
今回
復刻された「1947 501®」が生まれた1947年とは、アメリカ政府による物資統制の呪縛から解放され、
再び501®のアイデンティティを取り戻した記念すべき年にあたる。そして藤原さんによると、「1947年に発売された501®は、もっとも完成されたプロダクト」だという。
「そもそも
古着シーンで、戦後の1947年から1953年まで、
特に1947のモデルは非常に評価されています。第二次大戦前はバックルが付いていたり、サスペンダーボタンが付いていたり、やはりワークウェアとしての性格が強かったし、大戦モデルは戦時中ですから、金属や糸が削ぎ落とされています。
普段着として着るうえで不必要なものをそぎ落とし、アーキュエイトステッチやコインポケットのリベットなど、自社のアイデンティティを無駄なく取り入れ直した作品が『1947 501®』ですから、
ある種の“完成型”だと言えるでしょうね」。
藤原さんは、色落ち加工を施した今回の復刻作に、これまで見てきた稀少なアイテムたちの面影を見る。
「おそらくシルエットなどはモダンさを意識しながらアップデートさせているのだと思いますが、風情は私が見てきた『1947 501®』のそれを感じますよね。『1947 501®』は色落ちが独特なんですよ。すごく縦の色落ちが繊細できれい。大戦モデルのちょっとザラッとしたタッチの濃い色とはまた違って良い雰囲気なのですが、しっかり表現できていると思います」。
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