■トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクアイア」MUシリーズ
トヨタのノア/ヴォクシー/エスクアイア。広い室内空間を持ちながらも、5ナンバーという街乗りの使いやすさも兼ね備えた3車種を、3列目シートのないキャンプ仕様にしたのが、MU(マルチユーティリティ)シリーズだ。
ラゲッジフロアには、水や汚れに強く、簡単に水拭きできる木目調フロア材が用いられているから、濡れた物をそのまま投げ入れてもOK。
またフロア材の下にはアンダーボックスもあるので、そこにも荷物を収納できる。
さらにラゲッジ内の仕切りに活用できるほか、取り出してキャンプ時のテーブルにしたり、後席を倒してエアマットを敷けば車中泊もできる便利なマルチユースボードがオプションで用意されている。
ほかにもサイクルホルダーやロッドホルダーが用意されているので、趣味のアイテムを積んでおくベースとしても活用しやすい。
トヨタといえばハイエースが有名だけど、こっちのほうがコンパクトだから家族での街乗りや旅行に使いやすいはずだ。
■日産「セレナ/NV200/NV350キャラバン」マルチベットシリーズ
日産の車中泊可能なミニバンが「マルチベットシリーズ」だ。
ベース車には5ナンバー枠一杯のサイズとなる「セレナ」と、全長約4.4mサイズの「NV200」、「NV350キャラバン」がある。用途や予算に応じてサイズを選べるのがうれしいところ。
いずれも2列シート5人乗りとなり、ベッド下のスペースが広いので、荷物をたくさん載せたまま仮眠できるのも共通だ。ベッドは左右に跳ね上げてしまえるので、普段はたっぷり荷物を積んでおける。
セレナは防水シートを標準装備し、ベッドも防水加工が施されているので、川遊びで濡れたまま、またはウエットスーツのまま寝転がる、なんてこともできるだろう。
また車内の上部にサーフボードなどの長物を収納できるアタッチメントも用意されている。3台中では最もマリンスポーツや川遊びに向いているモデルだ。
一方ボディサイズが大きいNV350キャラバンの場合、ベットをベンチシートとして使い、オプションのテーブルを備えれば動くテレワークスペースにも。
オンラインミーティングなど、海や山といった隔離されたスペースで仕事がしたい人にオススメだ。
NV200バネットは、本来は小型商用バンだが、マルチベッドシリーズでは乗用車としての使用を前提に、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全装備が標準で備えられている。
またNV350キャラバン同様、ベッドをシート代わりにして仕事がこなせるようオプションでテーブルが用意されている。街乗り重視ならNV350キャラバンよりはコンパクトなこちらが使いやすいだろう。
籠島康弘=文