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地球のためには、服を受け継ぐことが大切だ

ポップアップストアでは、「服を修理して、長く着続けることの面白さ」をストーリー仕立てで提示することにも力を入れている。
こちらは登山家の新谷暁生さんが実際に着ていたダウンジャケット。その着用ストーリーとともに展示されている。
パタゴニアの服やギアが誰にどう使われてきたかが綴られたストーリーは、店内各所にパネルで展示されている。
「なかには前の持ち主のストーリーが書かれたタグ付き商品も用意しているので、ぜひ手にとって、感じてみてください」。

前の持ち主が、いかにこのアイテムを大切に使っていたかがよくわかるストーリーが綴られている。
パタゴニアがここまで大規模な古着のポップアップストアを開催したのは初。背景には、深刻化する環境問題への配慮がある。
近年日本でも関心が高まっているSDGsの17の目標では、持続可能な生産・消費サイクルの確立を目的に、「つくる責任、つかう責任」という項目も掲げられている。
これはアパレル業界が特に深く関わる分野で、例えば服の生産には多くの電気や水を使用するし、服を廃棄して焼却する際は莫大なCO2を排出してしまう。
ポップアップストアでは、リペアする様子を見ることもできる。
「地球の温暖化問題は年々深刻化していて、もうあまり悠長ではいられません。我々のようなアパレルブランドも資源の循環のなかに加わっているので、『新しいものを作る』『新しいものを買う』の前に、『すでにできているモノを手にする』ことがいちばんだと思っています。だからこそ、古着という選択肢を一般化できればうれしく思います」。
パタゴニアによると、洋服の寿命をわずか9カ月伸ばすだけで、従来の炭素排出量や水の使用量、そして廃棄物の量を20%〜30%も削減できるのだという。



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