「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……この写真は真上から撮影しているのですが、何に使うモノかわかりますか?
実は、何枚かの同じ厚さのステンレス板を組み合わせて作った焚き火台なんです。
板の組み合わせ方によって、焚き火台、焚き火グリル、薪ストーブ、ミニトライポット、ウィンドシールドと5パターンに変形する、名付けて「トランスフォーム焚き火台」。
下の写真のようなミニトライポットの場合、ギザギザのついた細長い板を横に並べると焼き鳥グリルに。さらに、下で薪を燃やして上から鍋を吊すと囲炉裏のような形態にもなる。
「コティ ビューティ&ユース」のトランスフォーム焚き火台組み立てはシンプルで、解体すれば収納もラク。ウィングプレート(360×226mm)2枚、サイドプレート(225×276mm)2枚、底板(288×141mm)1枚、五徳(358×52mm)4本がセットになっている。写真はステンレス製。
ステンレスの板は、ドイツ製の精密なファイバーレザー加工機を使って仕上げられています。怪我をしない繊細なエッジで、それぞれの板がずれることなく気持ち良くはまります。
葉山に住み始めてからあまりキャンプに行かなくなった代わりに、庭で焚き火をするのが趣味になりました。焚き火をすると夏は蚊が寄ってこないし、冬は客人と焚き火を囲んで温まりながらお酒を飲んだりできて、なかなか和みます。これなら広いスペースもいらないので、ぜひ買いたいですね。
この画期的な焚き火台は、今年4月にローンチした、ユナイテッドアローズのアウトドアレーベル「コティ ビューティ&ユース」がアウトドアブランドに別注したモノ。
ユナイテッドアローズのプレスの中島小太郎くんがディレクターを務めています。表参道にできたショップも面白いラインナップが揃っていて、
オープンのときは400人も並んだらしい。こんなに細かいところまで目が行き届いたセレクトをしているアウトドアショップはほかにないので、これからアウトドアを始めるならここに行けば間違いないですね。
僕は釣りを始めようと思っているので、クーラーバッグとか脱げにくいビーサンなどいくつか買いました。へー、こんなのあるんだ的なモノがきっと見つかるはず。
アウトドアのギアってけっこうかさばるモノが多かったのですが、これからはトランスフォームできたりするハイブリッド感がポイントかもしれません。いいモノが次々生まれそうな予感がしています。
[藤井隆行 プロフィール]
東京を代表するブランド「ノンネイティブ」のデザイナーで、ファッションからライフスタイルまで一貫したこだわりを持つ。「今年は念願の葉山の海の家が再開されるようで、ワクワクしています。一色海岸がおすすめです」。
「藤井隆行の視点。私的傑作批評」とは……
世の中のありとあらゆるプロダクツから、「ノンネイティブ」藤井隆行さんが独自のセンスと審美眼でモノをセレクト。デザインとは? 実用性とは? 買い物の醍醐味とは? ブランド名や巷の情報に惑わされず、本当に自分に必要なモノと出会う方法を指南。
上に戻る 竹内一将(Ye)=写真 町田あゆみ=文