パタゴニアがヘンプにかける想い
衣料品だけでなく、バイオマスオイルを作って燃料にしたり、それから植物性プラスチックを作って車のパーツになったり、住宅建材になったりと、その活用法は2万5000以上あるとされ、サステイナブルな素材として見直されているヘンプ。
こうした理由もあって、サステイナブルなモノづくりに取り組む企業がその可能性に目を付け「グリーンラッシュ」というビジネスムーブメントにもなっている。
そんな大注目のヘンプだが、実はパタゴニアは20年以上も前から目を付け、毎年ヘンプアイテムを作り続けている。環境問題の取り組みを行なっていることで有名なパタゴニアが、産業用ヘンプを重要な繊維として位置付けているということは、ヘンプ発展の後ろ盾ともなっているのだ。
特に新しい動きとして紹介したいのが、農家のサポート。2018年の農業法案によってアメリカのほとんどの州で産業用ヘンプの栽培が合法となったが、このタイミングでパタゴニアはアメリカのヘンプ農家の支援を開始。
1997年以来、中国から合法的にヘンプ繊維を調達していたが、アメリカでヘンプ産業が再び繁栄するようにとシフトチェンジを行なっているという。
パタゴニアのヘンプ製品
こういった理念を持ってラインナップされるパタゴニアの「ヘンプ・コレクション」では、ヘンプにテンセル・リヨセルやオーガニックコットンなどを混紡。それぞれの特性を掛け合わせながら、製品ごとに通気性や速乾性、耐久性などのバランスを取りながら作っている。
2020年だけでも73のアイテムにヘンプが使われていて、今後も春夏シーズンを中心に展開予定だ。
オーガニックコットン76%/ヘンプ24%の糸を使用した、軽量な平織りのコーチジャケット。スナップボタン仕様で気軽に羽織れる、3シーズン使える一着(参考商品)。
ヘンプの特徴を活かしたワークウェアも
軽量かつしなやか、そして耐摩擦性に優れた9.6オンスキャンバス素材のエプロン。ヘンプ55%/リサイクル・ポリエステル27%/オーガニックコットン18%混紡の素材で、耐久性と通気性も兼ね備えている。
ヘンプ55%/オーガニックコットン45%の混紡テキスタイルを使用した、ハードワークにに耐える、丈夫で快適な長袖Tシャツ。こちらもワークウェアラインから。
「パタゴニア ワークウェア」は、環境への悪影響を抑える素材やヘンプを使用しながら、世に存在するどの作業着よりも丈夫で快適に仕上げたシリーズ。
過酷なフィールドでの作業を想定してデザインされ、農業、林業、漁業といった一次産業従事者はもちろん、ビルダー、クラフトマン、建築業に携わるワーカーのニーズもかなえる仕様となっている。
パタゴニアのようにヘンプを活用するメーカーが増えてくれば、世界第二位の環境汚染産業であるアパレル業界の未来も明るくなるはず。まずは一着、着心地がよくて機能的なヘンプウェアを手に入れて、その素晴らしさを体験してもらいたい。
[問い合わせ]パタゴニア日本支社 カスタマーサービス 0800-887-447パタゴニア日本支社=協力 鈴木純平=文