OCEANS

SHARE

気になるフィールドでの使い心地は?

空調服
ウエストの内側を締めて空気を上に流す構造。スキーやスノーボードをする人にとっては、「パウダースカート」と言えば伝わるだろうか。
炎天下のもと、キャンプの設営をする小一時間ほどの間、筆者とカメラマンはジャケットとベストをそれぞれ着用してみた。
その感想は「快適そのもの!」。汗はもちろんかくものの、タオルで拭き取る前に風で蒸発していき、不快感は皆無だった。この仕組みを最大限活かすためには、インナーに吸汗速乾性に優れた機能性アンダーウェアを着るといいだろう。
空調服
下に空気が抜けないようにすることで、ウェア全体に空気を対流させる。
動くときに着るならベストタイプ、あまり動かずにサイトにいるなら全身に空気が流れるジャケットタイプのほうが快適に感じた。
また、森の中のサイトは別として、日向に出ることが多い場所では、ブラックよりもタンカラーのほうが涼しく着ることができた。
空調服
バッテリーはACアダプタで充電する。最大風力で約5時間30分使うことができる。
あえて気になった点をあげるなら、汗でくっつかないようにベストタイプの襟部分が丸首だったらなと思ったことと、バッテリーがUSB充電できたら車やPCからも充電できそう、ということ。
付属以外のモバイルバッテリーが使えるならば、もっと軽量化できるだろうだが、もしかしたら付属以外のものは熱を持ってしまうかもしれない。付属のものは1時間ほど連続で使い続けても、バッテリー自体が熱くなることはなかった。
空調服
ザックを背負ってスイッチオン。左の大きさであれば、背中に空気の流れを感じられた。
ちなみに、登山用にも使えるかザックも背負ってみた。
大型ザック(写真右)を背負うと、ファンとハーネスは干渉しないものの、背中の空間が潰れてしまって前面にしか空気が通らなくなる。しかし、小さくて軽いザック(写真左)なら、空気の動きを妨げずに快適だった。
バッテリー容量の問題を考慮すると、日帰り程度の登山には導入してみても面白そうだ。
電気自動車やガジェット類の普及とともに、モバイルバッテリーは日進月歩で開発が進められている。そして、扇風機だけではないウェア+αなアイテムが、アウトドアでもきっとスタンダードになる。
その日は、もうすぐそこかもしれない。
 
[問い合わせ]
ビッグウイング
06-6167-3005
www.bigwing.co.jp
「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る
連載「Camp Gear Note」一覧へ
池田圭=文 矢島慎一=写真


SHARE

次の記事を読み込んでいます。