「今までホームシアター環境を熱望してきた層にとっては、20万円以下でこれだけの大きさで映像を楽しめるのなら、手頃でしょう。私も自宅でいち早く試してみたのですが、映像マニアでも十分にホームシアターが楽しめるクオリティーだと感じました」(平野さん)
一般的に購入できるテレビで最大のものは85インチ(約1.7m×約1m)ほどだが、有名メーカーのものになれば50万円以上はするうえに、場所をとる。一方でプロジェクターなら見るときだけスクリーンを使えばテレビよりも大きな画面で視聴でき、置き場所も取らない。ホームシアター用の部屋を確保できない人にも、手が出せるというわけだ。
失敗しない選び方3カ条
新しい映像体験ができる家庭用プロジェクター。ただし家の間取りと合わず、結局あまり使用しないという話も聞く。そうならないためには、どんなポイントをチェックすれば良いのだろうか。3つの点に絞って紹介する。
広いシアタールームがあるような家庭ならばよいが、一般的なリビングではどんなに小型なものでも案外プロジェクターを置ける場所は限られている。スクリーンに対して平行に置けない場合は、画面補正機能が必須だ。使い勝手に直結する画面補正機能は、最新のハイエンド商品が競って進化させてきている機能なので、ぜひ比較のうえ購入したい。
「プロジェクターの画面補正機能で大切なのは台形補正です。今年までは有名メーカーの家庭用プロジェクターでも『タテ方向の補正』だけで『ヨコ方向の補正』については対応してなかったり、手動だったりしました。
最新機種は、各メーカー補正機能をアップしてきており、例えばXGIMIなら7万1800 円(税込・通常価格)のお手頃価格帯の『MoGo Pro+』でも縦横ともに自動で補正を行う機能がついています。スイッチをつけて映したい場所の近くにポンと置けば瞬時に画角を補正してくれるので手軽ですよ」(平野さん)
台形補正がないと、プロジェクター用の三脚を使うなどしてスクリーンに対して並行に設置しないと、画面が台形に歪んでしまう。テーブルやシェルフにプロジェクターを置いて気軽に使いたいのならば、補正機能があるかどうかは重要だ。
投写距離は「何インチの画面が、何メートルの距離で投写可能か」を表すもの。懐中電灯の光をイメージすればわかるように、光源を離せば離す程広い範囲に光が届く。プロジェクターの場合、画面が大きくても投射距離が短い場合は、近距離にプロジェクターを置いても大画面が楽しめるということだ。
「近年のプロジェクターは投射距離が近くても大画面が映せます。例えば100インチの大画面を2メートルほどの距離から映すことが可能な商品もありますよ」(平野さん)
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