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短い距離で大きな画面を投写できる製品は、「短焦点モデル」ともよばれ最近の主流だ。ただしあまりにも画面が大きいと、今度は投影するスクリーンも大きなサイズを用意する必要がある。投影スペースが小さい場合は、画面サイズを任意の大きさに縮小することが可能かどうかも、併せて調べておくといいだろう。
「近年のプロジェクターは画面縮小機能もあります。ただしその場合は大きい画像をプロジェクター側でカットしていることになるので、理屈上は画質が落ちるのです。適正な投射距離と映像のサイズから、あまり縮小しないようにすると、より画質がアップします」(平野さん)
投写距離と映像サイズを完璧にフィットさせることは難しくても、事前に投射距離を調べて投影スペースをイメージしておくことが必要だろう。

どのくらいのルーメンが必要?

3、暗所なら200ANSIルーメン以上、明所なら1000ANSIルーメン以上を選ぶ
ルーメン(lm)とはLEDの明るさの単位で、厳密には光源がすべての方向に放射する光の量の値を示している。画像に投写された部分の明るさは特にANSIルーメンという。ANSIルーメンの数値が大きいほど。画面が明るくなるというわけだ。画面が明るくなれば、部屋が明るくてもプロジェクターの映像がくっきりと見える。
昨今の家庭用プロジェクターとしては200ANSIルーメンから2000ANSIルーメン程。200ANSIルーメン以上あれば、照明を消した暗所であれば問題が無い程度。1000ANSIルーメン以上あれば照明をつけていても鮮明な画像を見ることができる。
「暗所とは言っても、プロジェクターを置いてあるゾーンが暗ければ問題ありません。例えばLDKで、キッチンに電気がついていてもリビングを消灯すれば、200ANSIルーメンでも十分プロジェクターの映像を楽しむことができます」(平野さん)
実際に間接照明が明るい二子玉川 蔦屋家電の店内でも、200ルーメン程度のプロジェクターの映像が鮮明に見えていた。2000ANSIルーメン以上ともなると、大型液晶TVと間違えるくらいにくっきりと映る。購入の際には画像の明るさと使用環境も考慮に入れて商品を選ぼう。
プロジェクターが注目されているのは、コロナ禍で家ナカ需要が増えたことが背景にある。引きこもり生活の閉塞感によって、開放的な大画面が求められていることに加えて、在宅ワークで液晶モニター疲れをしていることも、原因のひとつかもしれない。実際にプロジェクターの映像は光源を見つめない分、液晶モニターよりも目に優しいそうだ。
未だ新型コロナウィルスへの警戒が必要なこの夏、自宅でできる新たな映像体験で心労や眼精疲労を癒し、気分転換を図ってみてはどうだろうか。
 
蜂谷 智子:ライター・編集者
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記事提供:東洋経済ONLINE


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