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楽しくハッピーに走るために優先するデザイン

「デザインに関してはアールディーズと同じで、基本的に自分の好きな世界観を表現しているだけです。ただアールディーズでは使えなかった柄やモチーフがあって、例えばボーンマンのようなハードなデザインとかを使用しています」。
ブランドを象徴する人気キャラクター「ボーンマン」。
スポーツ向きの機能素材は生地の扱いが難しく、縫製に慣れが必要だったり、プリントを定着させるための乾燥のノウハウも違う。つまり、比較的小ロットの生産に対応できる工場からは嫌がられる傾向にある。
こちらは人気の「アーネストショーツ」。有刺鉄線のモチーフも「とくに深い意味はなく、面白そうだから」という理由でデザインされている。
スポーツウェアにファッションの味付けをしようとするブランドがレアケースである一因はそこにあるが、阿久澤さんの場合は、アールディーズで海外の製造工場と太いパイプを築いていたことが奏功。
機能素材を扱えるようにトレーニングしてもらい、メジャースポーツブランドとは桁の違う数量でも生産することが可能になった。
「生地に関しては速乾の機能素材ですが、ロット数や価格設定面での都合もあって、ハイレベルなものの一歩手前にしています。一秒を争うようなシチュエーションではきっと本気のスポーツメーカーのウェアを着る人が多いと思いますので、それでいいんです」。
アイアンマン世界選手権への参加経験のあるトップトライアスリート・菊池朋明さんも、普段のランではエルドレッソのショーツが定番だ。 
「部活や競技じゃない場合は、自分も含めて、それが楽しいから勝手に走っているわけじゃないですか。誰に頼まれるでもなく。
陸上競技の世界を経験してきたからこそ、そういったランニングとの向き合い方って本当に面白いよなと感じています。エルドレッソもそのカルチャーに乗っかって、ランニングがもっと面白くなればいいなと勝手にやらせてもらっているんです」。
走ることを深く難しく考えるのでなく、とにかく楽しくハッピーに。
この阿久澤さんの気負いのないスタンスがよ~く表れたエルドレッソに熱烈なファンが引きも切らずなのは、ランニングカルチャーの盛り上がりとシアワセな相関関係にあるからなのだろう。
 
「ランニング効果をアゲるギア」とは……
総勢40名のランニングライフを追いかけてきた連載「Running Up-date」。そこで取材をしたリアルランナーが履いていたシューズは? 着ていた服は? 時計は? 何かとアガるランニングギアまとめ。
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礒村真介(100miler)=取材・文


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