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成長ホルモン欠損症が体脂肪の増大を促すこと、成長ホルモン欠損症患者に成長ホルモンを投与すると、体脂肪が減少することなどが次々にわかってきました。
成長ホルモンは、メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手のように「合成する/分解する」のどちらにも関与する二刀流であったわけです。

なぜ「午後10時」に寝るべきか

成長ホルモンは深い眠りであるノンレム睡眠時に分泌されますが、ノンレム睡眠後30分で最大となり、一般に午後10時から午前2時頃に最大になるとされています。
そのため、成長期の子どもはもちろん、40〜50代のビジネスパーソンにとってもできるだけ夜早めの時間に眠りに就くことが重要です。筋肉の合成を促し、体脂肪の分解を促してくれるのですから、これを利用しない手はないんです!
『最速で体が変わる 「尻」筋トレ』(青春出版社)
もう一つ、ちょっとドキッとしますが、筋肉作りには敵となるカタボリックホルモンの代表選手として、コルチゾールも紹介しておきましょう。
副腎皮質から分泌されるホルモンの一種ですが、心身がストレスを受けると急激に分泌が増えることから、「ストレスホルモン」とも呼ばれています
コルチゾールは肝臓で糖を作り出す、脂肪を分解して代謝を促進する、免疫抑制、抗炎症作用を持つなど、とっても有益なホルモンです。ただ、高いストレス状態となると、「筋肉のたんぱく質を分解してエネルギーに変える」という働きをし始めるのです。……これは困りますよね。
対策はシンプル。まずトレーニングのしすぎを避けること。体が受けるダメージが回復のスピードに追いつかなくなると、筋トレをすればするほど体が細く弱くなっていきます。
唾液でも測定することができるテストステロン-コルチゾール比(T-C比)という測定方法において、値が低くなればなるほど(コルチゾールの比率が高まるほど)、体内ではカタボリックな作用(分解)が強まっていることになります。適度な運動と休息が必要だということが、コルチゾールホルモンの分泌からもわかりますよね。
 
弘田 雄士:スポーツトレーナー
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記事提供:東洋経済ONLINE


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