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「努力すれば成長する」と思うと成長するのはなぜか

この「成長する思考態度」を持つとなぜ本当に成長するのでしょうか。
まず、自分の能力の限界はまだまだわからないと思うことで、努力することを無駄なことだと思わないため、継続的な学習や訓練を行うことができます。難しい課題や障害に対しても、そこから学びを得られると考えれば避けることなく挑戦することでしょう。
自分は変われる、いつでも改善できるのだと思っていれば、批判に対しても耳をふさぐことなく寛容になることができ、そこから学ぶことができます。
他者の成功を見ても、妬み嫉みの対象とするのではなく、何かを学び取って自分の糧にしようとします。そう考えると、結果、成長するのは当然でしょう。

職場で「努力は裏切らない」と言ったらどうなるか

オリンピックの選手が努力の末、結果を出すシーンを見たり、ドゥエックの「成長する思考態度」の話を聞いたりすると、「努力は裏切らない」と信じることがとても重要であることは疑う余地がないように思えます。
実際、そう思うことで成長し、成果が出やすくなるのですから、そういう思いを個々人が持つことはよいでしょう。
しかし、それを仕事の場で若いメンバーたちに「努力は裏切らないから君たちも頑張れよ。オリンピック選手たちを見ろ」と言うのは少し待った方がよいかもしれません。
そういうことを軽々しく若手メンバーに言ってしまうと、意外なところから反発を招いてしまうかもしれないからです。

もう「既に」頑張っているかもしれない

それは、彼らは既にがっつりと頑張っていて、それなのに成果がなかなか出ずに悩んでいるところかもしれないからです。
そんなときに「努力は裏切らない」と言われると、「そう、努力は裏切らない『はずなのに』、自分の場合は成果が出ない。ということは、やはりそもそもの自分の才能が足りないのかもしれない」と、逆に「固定された思考態度」に向かわせてしまうかもしれません。
そして、自分に対する自信を失った若者は、その引き金となった言葉を発した上司を逆恨みしてしまうこともあるでしょう。既に頑張っている人に対して「頑張れ」と言ってはいけないのです。


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