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努力しても、成果が出るとは限らない

加えてもうひとつ理由があります。それは、オリンピックでも仕事でもそうですが、最後の最後で結果が出るかどうかは、「努力をしてきたか」とか「成長する思考態度」以外の要素も大いにあるからです。
ものすごく頑張ったオリンピック選手でも、思いがけないアクシデントによって、求める結果を得ることができないことなど数限りなくあります。どれだけ努力をしても、運悪く想定外の障害が発生したり、自分を引き上げてくれる人や機会に恵まれなかったりで、努力が報われないことなどいくらでもあるのです。
「努力しなければ、成果は出ない」は真かもしれませんが、「努力しても、成果が出るとは限らない」も真なのです。

努力している個人に成果を出させてあげるのが上司

そして、その最後の「努力以外の要素」の大きな部分を担うのが仕事においては上司なのです。
若いメンバーが懸命に努力をして、あと一歩のギリギリのところで止まっているとしたら、そこをあと押ししてあげたり、引き上げてあげたりするのが上司の役割ではないでしょうか。
それを高みの見物でもするかのように「努力は裏切らないぞ」とか言っているのだとしたら、「いや、僕らはもう結構限界まで頑張っているので、なんとか助けてもらえませんか」という心の声が聞こえてきそうです。
努力を成果につなげる最後のドアの鍵を持っているのは上司の皆さんたちなのです。
連載「20代から好かれる上司・嫌われる上司」一覧へ
「20代から好かれる上司・嫌われる上司」とは……
組織と人事の専門家である曽和利光さんが、アラフォー世代の仕事の悩みについて、同世代だからこその“寄り添った指南”をしていく連載シリーズ。好評だった「職場の20代がわからない」の続編となる今回は、20代の等身大の意識を重視しつつ、職場で求められる成果を出させるために何が大切か、「好かれる上司=成果がでる上司」のマネジメントの極意をお伝えいたします。
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組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス
『組織論と行動科学から見た 人と組織のマネジメントバイアス』(ソシム)
曽和利光=文
株式会社 人材研究所(Talented People Laboratory Inc.)代表取締役社長
1995年 京都大学教育学部心理学科卒業後、株式会社リクルートに入社し人事部に配属。以後人事コンサルタント、人事部採用グループゼネラルマネジャーなどを経験。その後ライフネット生命保険株式会社、株式会社オープンハウスの人事部門責任者を経て、2011年に同社を設立。組織人事コンサルティング、採用アウトソーシング、人材紹介・ヘッドハンティング、組織開発など、採用を中核に企業全体の組織運営におけるコンサルティング業務を行っている。
 
石井あかね=イラスト


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