② アウトドアファッションの足元を飾った不朽の名作
「エア リバデルチ」は、ナイキACGのデザイナーとしてブランドの発展に貢献したスティーブ・マクドナルドのデサインによる、トレイルシューズ。
リバデルチという名は、イタリア語で「さようなら」を意味する「arrivederci」から着想を得て付けられたという。実際に完成したプロダクトも、従来のアウトドアシューズに別れを告げるが如く、数歩先行く提案を示していた。
既存のハイキングブーツとは一線を隠すビジュアルと最先端テクノロジーは、アウトドア好きのみならず、ストリートでも絶大な支持を獲得。今でも時折発売される復刻モデルが瞬く間に完売することからも、人気の高さが窺えるだろう。
③ ナイキ初のスポサン、圧倒的な支持を得た水陸両用サンダル
ナイキ史上初のスポーツサンダルとして、1992年に登場した「エア デシューツ」。この一足もまたナイキACGから生まれた傑作のひとつだ。
「ナイキ エア」を搭載したハイテクサンダルは、ナイキ本社があるオレゴン州のデシューツ川から名付けられただけあって、水場への対応力もすば抜けている。
多少の悪路をものともせずに走破できる機能性と特徴的なビジュアルは瞬く間に人々を魅了し、記録的なヒットを飛ばした。その人気は今なお続き、
昨年28年ぶりにオリジナル版が復刻した際も大きなニュースとなった。
このほかにも、日本で大ブレイクを果たした“21世紀のモカシン”と呼ばれる「エア モック」など、多くの名作を残したナイキACG。だが、一時活動休止を余儀なくされる。
それは、ナイキACGのコンセプトが時代の先を行き過ぎていたからかもしれない。その価値が再び認められるようになるのは、十数年後の話になる。
▶︎【後編】「“3代目”となるナイキACGは、これまで以上に縦横無尽。その変遷とキーアイテム」を読む 戸叶庸之=編集・文 ナイキ=写真