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EVの時代になったら、電動化して乗り続ける

これまで大きなトラブルと言えば、10年ほど前に事故でボンネットが大きく凹んで板金修理をしたぐらい。

「あれ?っと思ったら線が抜けていたり」といったマイナートラブル以外は、ヤナセの修理によって防がれていた。

「けれど、最近修理をお願いしにくくなりました」。

本来1974年式はビッグバンパーと呼ばれるタイプだそう。それをシングルバンパーに変更している。


現在47歳のヒロセガイさんが19歳の頃からお世話になっていたヤナセで、担当のメカニックさんがつい最近引退してしまったのだ。

それでもビートルを持っていくと、わざわざ引退したその人を呼んでくれるのだという。「申し訳ないなと」最近は、同世代の営む各地のビートル専門店でお世話になっているそうだ。


ビートルのパーツはたくさん流通しているから、今のところ修理やカスタマイズにあまり困ることはない。リプロダクト品もたくさんある。100万kmを超えてもまだまだ現役で活躍できる。
キャリアに丸太やソファ、階段…… とあれこれ載せて走ること自体も、アーティスト活動の一環。


この先もずっとこの車に乗り続けるんですか?と尋ねると、案の定「そうですね」と答えた。

「いざとなれば電気自動車にしたっていいんです。今ならビートルの電気自動車化のパーツも出ているし。それに僕の生き方として、車をコロコロと変えるのは、何か違うかな」。

車が空を飛ぶまでは、ヒロセガイさんはビートルとともに走り続けるのだ。



鳥居健次郎=写真 籠島康弘=取材・文

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