車中泊も快適な走るワンルーム
幼い頃から山や川が遊び場となっていたことから、自ずとアウトドア派となっていった三枝さんだが、どっぷりハマったのは車の影響もあったという。
「アウトドアにどっぷり浸かったひとつの分岐点としては、自分の車を持ったことが大きいでしょうね。最初は古いサーフのワゴン、ジープのグランドワゴニア、ランドローバーのディスカバリーを経て、今の車に辿り着きました」。
前々から「一度は乗ってみたかった車」だったというこちらは、フォルクスワーゲンの「T3 ヴァナゴン」。同社のタイプ2シリーズにおいて、「T2(レイトパス)」の後継として登場したモデルである。三枝さんの愛車は’90年代の初期型で、もちろん、今でも現役バリバリ。
しかし、こいつがまあ手がかかること。
「一番脆弱です(笑)」と三枝さんも苦笑するように、キャンプへ行くには少々心許ないリアエンジン&リアドライブのRR車。エンジンはレイトバスの空冷から水でエンジンを冷やす水冷式に変更されたが、その機能も優れているとは言いがたく、オーバーヒートを起こしやすいのだとか。
しかし、三枝さんは「手がかかる子ほどかわいいもんです」と一笑する。
「あそこにウエストファリアと書かれていますよね。ドイツのウエストファリア社がキャンピング仕様にアレンジして販売していた車なんです。
そんな車はなかなか見つからないし、しかもこれはT3の最終の型で1991年製。オジサンではあるけれど、ヴィンテージカーというわけではない。その塩梅がいいんですよね」。
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