最新ムーブメントを搭載した「カラトラバ」はそんな歴史を蘇らせる。
新開発のムーブメントは、ふたつの香箱を並列に配置し、厚みを抑えつつ、約65時間のパワーリザーブを実現した。しかも独自の設計により、持続時間以上に駆動トルクを重視し、歩度を安定させる。
そして2万8800振動のハイビート化によって精度を向上し、現代的な用途に応えた手巻きムーブメントを完成させたのだ。
これを得た「カラトラバ」は、ダイヤルのレイアウトも美しく調和し、付加機能への可能性も示唆する。
その将来に向けての設計図は、開発を指揮し、現在社長を務めるティエリー・スターンにはもちろん描けていることだろう。
※本文中における素材の略称:K18=18金
作木正之介=写真 柴田 充、髙村将司、オオサワ系、まつあみ 靖、戸叶庸之=文