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専門店だからこそ、信頼して愛車を託される

田中さんの仕事は修理がメインだが、買取、販売も行っており、ガレージには、珠玉のゴルフIIが所狭しと並んでいる。
例えばこの車。走行距離はまだ1万kmだが、もともとはあるおばあさんの愛車だったそうだ。

「個人情報なので詳細は控えますが、このゴルフは、あるおばあちゃんが大切に乗っていた『GLi』。“人に譲るよりも、スピニングガレージのほうが安心して任せられます”と連絡をいただいたんです。引き取りに行ったら、車体に毛布がかけられた状態で納屋に保管されていました。本当に持ち主に愛されていたんだなぁ、ということがひと目でわかりましたね」。
そんな逸話を聞けば、そのフロントマスクが一層愛らしく見えてくるではないか。30年以上の歴史を持つゴルフIIだからこそ、田中さんのガレージで販売される車の多くにこうした歴史とストーリーが詰まっている。
 

ゴルフIIの魅力は? “人馬一体感”が歴代で一番

ゴルフIIは時を超えた魅力を持つ一方で、年々維持費がかさんでいくという一面もある。長く乗り続けるには購入費を上回る修理費を覚悟する必要があるが、そこまで愛でたくなるゴルフIIの魅力とは何なのか。
こちらは田中さんの愛車、ゴルフカントリー。キャリアには大好きなマウンテンバイクを積んででかけるという。カントリーが製造されたのは’91年のみ。
「車を修理して乗る、というのは僕らにとっては当たり前の感覚です。一般的な概念で言っちゃうとコスパは悪いかもしれません。でも、ちょうどいいんですよ。ゴルフIIは、すべてにおいてちょうどいい」。
“ちょうどいい”の意味するところはなにか。
「例えば、’90年代後半からは、コンピュータ制御が導入されています。その世代のゴルフは、人間の操作にコンピュータがいろいろ干渉してくる。逆に、70年代に製造されたモデルは車の進化がまだ足りないから、こっちが操作した通りに動いてくれない。
その点、ゴルフIIはそのどちらでもない人馬一体感が一番あるんですよ。すべてにおいてちょうどいい。“too much”な点がひとつもない。好きな理由はそこですね」。
ゴルフIIの“ちょうどよさ”は、同じゴルフでも他世代のモデルにはないし、現代の車にもないという。 コスパでは測れないロマンと色気があるのだ。
ということで、次回は、スピニングガレージの中でも特に気になった珠玉の5台をご紹介!
 
[店舗詳細]
住所:神奈川県相模原市緑区長竹2748-1
電話:042-780-8198
営業:9:00~18:00(水、木定休)

山本 大=写真 ぎぎまき=取材・文


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