“理想の島”に辿り着く日、描く未来図のカタチ
「原点回帰」というプロジェクトは、 “理想の島”で自給自足をすることを目標としており、今はその舞台となる島を探している最中だ。
「僕の感覚では2年以内に島が見つかると思ってます。自給自足と言っても、みんなでそこで暮らそうっていう話じゃないんです。
都会から来た人が地球の循環のことを学んだり、何があっても生活できるための知識をつけたりする場にしたい。で、それを自分の住環境に持ち帰ってもらう。自宅のベランダでもプランターを使えば自然農はできるし、日本中、放置されている畑もめちゃめちゃある。そこで、自分で食べる分の野菜を農薬に頼らず作れたら、安全・安心じゃないですか」。
アートが好きな山田さんには、“理想の島”にアートビレッジを作るという構想もあるそうだ。
「まだ知られていないアーティストに、1カ月くらい島に住んでもらって、農業をやりながら絵を描いてもらう。それで、帰るときにひとつだけ絵を置いていってもらえば、どんどん島にアーティストたちの絵が集まりますよね。それを見にくる人もたくさんいるでしょう。考えるだけでワクワクしませんか?」。
◇
日本を代表する名俳優、山田孝之。山梨の畑には、テレビやスクリーンで見るのとは違った、まったく見慣れぬ彼の姿があった。
それでも今は、海に囲まれた大地で土にまみれる彼の笑顔が浮かんでやまない。
「原点回帰」第二期帰人の募集スタート! 佐藤ゆたか=写真 ぎぎまき=取材・文