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なんなら今は「停滞の時代」

逆に、これまでの時代と比較すると、もしかすると今は「停滞の時代」つまり「変化していない時代」と言えるかもしれません。
日経平均は1万円から2万5千円ぐらいを行ったり来たりしているだけですし(NYダウは100年以上右肩上がり)、国税庁の民間給与実態調査による日本人の平均給与も10年前とほぼ同じです。
GDP(名目)でも、10年間、500兆円超をうろうろしておりほとんど変わりません(中国は10年で倍)。インフレ率などもずっと0%前後で、物価は’95年からほぼ変わっていません。
けしてお金だけを基準にする話ではありませんが、「どこが変化の激しい時代」なのだと思う人もいるでしょう。
 

上司の世代が「停滞」を招いたという気持ち

確かに世界を見ればVUCAとも言える状況です。しかし、こと日本に限ってみれば、上述のように変化は緩やかでしょう。
欧米や中国で起きていることと比べると、日本は「失われた数十年」と言われるように、むしろ変わっていません。
それなのに「今はVUCAだ」「変化の激しい時代だ」とか、もし我々中高年の上司世代が口にすれば、若手は「どの口が言っているのか」と思うのではないでしょうか。
「あなた方の世代がこの停滞を招いたのではないですか?」と言い返したくもなります(私はもちろん言い返されるほうの世代ですが)。
 

言葉の由来に戻るなら、「現場起点」に

また、元々軍事用語であったVUCAに適した方法として、アメリカの軍事研究家ジョン・ボイドに考案された行動サイクルがOODA(Observe〈観察〉、Orient〈状況判断、方向づけ〉、Decide〈意思決定〉、Act〈行動〉)です。
以前、こんな記事を書いていたのにすみません。正式な詳細説明は別の方にお任せしますが、私の理解では要は「現場起点で判断し臨機応変に素早くどんどん動け」ということです。
つまり、上司がVUCAを言うなら、同時に「メンバーの皆さんは現場でどんどん自分の頭で考えて動いてください」とでも言わなくてはなりません。
俺の指示通りに動け、そして報連相を欠かさずしろ(PDCA的)、ではダメということです。


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