約半年前のウェルネス特集で、「いったい何者?」と話題になった男がいる。それがデイビッド・サイクスだ。
アーシング(素足で直接大地に触れる健康法)から
リンパマッサージまで、デイビッドが未経験のウェルネスはもはや存在しないのではないかというほどの、LA屈指の“ウェル男”なのである。
今回もまた新たなウェルネスを教えてもらおうとデイビッドにコンタクト。すると「クリスタルヒーリングがいいんじゃない?」との返事が。未知なるウェルネスに期待を膨らませ、取材に伺った。
ココロの浄化を促すクリスタルヒーリング
日本ではクリスタル=水晶のイメージが強いが、アメリカでは「結晶」の意味で使う。つまり水晶以外の天然石や塩などの結晶体もクリスタルなのだ。
「さまざまなクリスタルをカラダの上に配置して、滞っている(良くない)エナジーを浄化するんだ。今回は妻のソフィアと一緒にリトリートしよう思う。じゃあ“ピラミッド”へと向かおう」。
ベニスビーチの自宅からクルマで約30分。マリブの丘の上にその“ピラミッド”は忽然と現れた。その名も「マリブ・ピラミッド・ハウス」。もともとは超高級建売物件だったのだが、昨年、ヒーリングハウスとして生まれ変わったのである。
広々としたリビングで、どんなクリスタルをどこに使うか吟味する。オーナーのロバート・ヴァンデンバーグさんも加わり、さまざまな色と形状の石を組み合わせていく。
「最初にだいたいの方針を決めていくんだ。今日はカラダの中心線にクリスタルを並べていくよ」。
ラグを敷きデイビッドがカラダを横たえる。ハーバリスト(ハーブの知識を持ち使い方などを指導する専門家)でもあるソフィアが、自身で制作したインセンスを焚き始める。何やら儀式めいてきた!
額の上部から眉間、喉、胸へと、インセンスの煙で浄化したクリスタルを一つひとつ並べていく。そして並べ終わると、ソフィアがチェーン付きのクリスタルをカラダの各所にかざし始める。まるでダウジングのように、何かを探っている感じだ。
「このクリスタルがグルグル回ったところに、邪気が溜まっているのよ。どうも胸のあたりがあやしいわね」。
その邪気を払うのにもクリスタルを使う。インセンスで念入りに浄化した棒状のクリスタルを置き、手からじっくりと念を送るのだ。ハンドパワーってやつ⁉︎
最初は儀式のようだと感じたが、始まってみるといずれもわりと淡々とした、静かな作業。アーユルヴェーダのようなイメージに近いかも。約40分でクリスタルヒーリングは終了した。
「すっきりするというよりは、ココロが静かに整う感じ。気忙しさから解放されて、今自分が本当にやるべきことを再認識できるんだ」。
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