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独自性、品質、価格。どれも諦めないものづくり

キャプテンスタッグ
ロースタイルの原型ともいうべき製品。発売は今から30年近く前なのだから驚きだ。
『頂点を目指そうとするあまり、保守的な発想へ傾きかけたり、造作にこだわりすぎて価格的に手が届かなくなってしまっては、存在する意味がない』。
これは、創業当初から現在まで、彼らが掲げ続けるブランドコンセプトだ。
ユーザーからの声を積極的に取り入れ、独自の機能や構造を追求しつつ、誰もが手に取りやすい価格に抑える。
簡潔にいえば、独自性と品質、価格のバランスを追求する。言うのは簡単だが、これを実行し続けるのは想像以上に難しい。
キャプテンスタッグ
タープにメッシュの壁を作る。従来のタープ形状の常識を打ち破る画期的な発想だった。
しかし、キャプテンスタッグが手掛けてきた製品の歴史を振り返ると、彼らがいかにこのコンセプトに向き合い続けてきたのかがよくわかる。
例えば、今やキャンプサイトでは当たり前の光景になっているロースタイル。このスタイルが生まれるきっかけとなったのは、’95年に発売した「オリバー ツーウェイテーブル」だ。地面にシートを敷いて食事をする花見でも使えるサイズとして考案されたのだ。
同様に、1994年に発売した「ラニー メッシュタープ」は、側面にメッシュを配する構造を初めて採用したタープである。
これまた、日本のキャンプシーンならではの虫除け問題に対応するために、伝統的な「蚊帳」をアイデアソースに生み出した形だった。
キャプテンスタッグ
コンパクトに収納可能なローテーブルも彼らの十八番。詳細は後編にて。
同社を代表するロングセラー商品「アルミロールテーブル コンパクト」も、トレッキングやツーリングなど、日本ならではのニーズに対応するために作れらたもの。
独創的な発想力から生み出されたこれらの製品は、どれも高い品質と手にしやすい価格を両立している。
多くのユーザーに届けることによって、現在のキャンプシーンの基盤を形成してきたと言っても過言ではない。


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