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2021.06.14

31億円!? パラソル付き特注ロールス・ロイスに注がれた異次元の贅沢

1920年代後半から30年代にかけて、ロールス・ロイスの「ファントムI」や「ファントムII」などのオープンモデルに「ボートテイル」という仕様が存在した。

その名が示すように、ボディのキャビン部分(乗員が座る居住スペース)が外から見るとボートの後部のようなカタチだったのだ。
 

100年を経て蘇った名車

それから約100年。現代版ボートテイルの発注があったのは今から4年前という。
1932年式のボートテイルを所有するVIP顧客から、ロールス・ロイス社に現代版「ボートテイル」の製作が打診された。
インスピレーションとなったのは「Jクラス」と呼ばれるスーパーヨットだ。
全長約5800mmで既存のファントムとほぼ同じボディサイズながら、現行には存在しない2ドアオープンモデルに仕立てられた。
時を同じくして、ほかのVIP顧客2名も手を上げ、現代版ボートテイルは合計3台限定で製作されることになった。そして先日完成後に披露されたのが、このブルーのボートテイルというわけだ。
基本設計は同じだが、それぞれ顧客のテイストが色濃く反映され、3台3様だという。
ロールス・ロイス社の言葉を借りるなら、「車はキャンバスに過ぎず、それぞれのオーナーが美術品として完成させるもの」だそうな。
製作に際しては、まず1:1スケールのクレイモデルが作られ、最新のデジタル技術によって金型が作成され、アルミ板を職人が手作業で成形……。
こうした最新技術と古典技術の融合は、超絶富裕層顧客の「差別化への飽くなき探求心」を満たす同社のコーチビルド部門ならではだ。
大海原を駆けるヨットを思わせるフォルム。
フロントマスクはロールス・ロイスであることを一目で認識させながら、どことなく近未来感を漂わせている。ボディラインはボディ上部が上から下に、ボディ下部は下から上に、フロントからリアにかけて緩やかに弧を描く。


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