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手がかかることを楽しめるのが、いい関係

「パンダに乗り始めて気づいたのは、運転中にタバコが吸えるし、雨風が防げるし、音楽が聴けて、人も荷物も載せられる。バイクと比べたらとんでもなく便利だなと(笑)」。

そしてなにより、運転が楽しいことに驚いた。

意外に思う人もいるかも知れないが、このサイズのMT車には“操る”感覚に優れた車が多く、パンダもそんな車のひとつなのだ。

「車の運転がこんなに楽しいなんてホントに意外でした。適度にダイレクトな操作感となにげに元気に回るエンジン。それが飛ばさなくても感じられる。デザインも合理性と独創性が貫かれていて、付き合ってみてからどんどん好きになっていった感じ」。

シフトノブの樹脂部分が経年劣化でベタつき始めたので革の端切れを巻いてみた。ヤレたら交換もカンタン。


時折故障もするが、手放す気はまったくない。

どうしても困ったら主治医である知人の整備士に預けるが、ライトが切れたくらいなら、自らパーツを探して直す。そうやって自ら手をかけてきたこともあり、ますます愛着が沸いたようだ。

「こうやって手が少しかかることも、むしろ良い関係が長続きする秘訣かも知れません」。

ルーフラックを備えたことで収納力が2倍にアップ。長尺モノも積めるように。


こうして連れ添うこと20年。それだけ愛着もわくが、同時に20年という歳月は愛車の体調もむしばむ。
「ライトもシートもそろそろヤバいんです。純正品に戻したくてもなかなか見つからなくなってきました」。

だから代用品をカー用品店やホームセンターで探して、自らカスタムして取り付ける、なんてこともたまにあるという。

この前、よく走る道沿いの民家に野ざらしになっているパンダを見つけたそうだ。

「今後どうしても困ったら、ドアをノックしてパーツ取り用に譲ってもらおうかと」。古い車だから手放す、のではなく「介護ですよ(笑)。もし500万円とかお金があるなら、隅々までフルレストアしてあげたいけど、最後まで看取るつもり」だという。



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