診断にはチェックテストなどで中等症以上に該当するかを確認。その後、血液検査でもっとも働きが強いとされている遊離テストステロン値を測定し、8.5pg/mL未満であるとLOH症候群と診断されます。
ただし、遊離テストステロンは日内変動があって、朝は高く夕方に低くなります。このため、専門医は患者が受診されたのが午前遅めか午後であれば、その日は血液検査を行わず、日を改めて朝一番に来てもらうように指示するそうです。
深刻なテストステロン値の低下が明らかになった場合は、ホルモン補充療法が行われます。知人の泌尿器科の先生によると、実際の投与経験・理論上の両者からも、テストステロンは精神面(活気、やる気、集中力)や仕事の効率、筋力維持に生理的に関連性が高いと実感しているとのこと。投与すると患者さんに喜んでもらえるケースが多く、QOL(人生の質)も改善する場合も多いそうです。
女性の間では認知度が高い「更年期障害」ですが、男性もまったく同じような症状に苦しんでいるケースは少なくない。……にもかかわらず、自分も周囲も男性の更年期障害に関しての知識どころか、存在自体を知らない人が多いのが現状でしょう。気をつけたいものです。
男らしい人ほど「薬指」が長くなる?
実際に自分もLOH症候群かもしれない……そんな不安がある男性はいったいどうしたらいいのでしょう。
前述のチェックテストをしたうえで、メンズ・ヘルス外来を受診して血液検査をする、というのは、ちょっとハードルが高くて怖い、という方もいるはずですよね。
そんな方は、人間ドックならぬ「男性力ドック」を受診するのはいかがでしょうか。通常の人間ドックでは行わない、男性更年期専門家の問診や独自のチェック項目を加えたものです。
そのチェック項目の中でもちょっと新鮮なのが、「両手のコピーを取り、薬指と人さし指の長さを比較する」チェック方法。これは示指環指比(じしかんしひ)と呼ばれている検査法です。
単純に手のひら側で五指を並べて比較する、というのでも構いませんが、正式な測定方法は、手の甲側を用いて、指を90度に曲げたときの指先から基節骨の突起までの長さを測定する方法が採用されています。
2D:4D比とも言われますが、所定の手の人さし指の長さを、その手の薬指の長さで割ることで求められます。特に右手に顕著に特徴が出やすいとのこと。
人さし指が長ければ2D:4D比はより大きくなり、薬指が長ければより小さくなるわけです。この2D:4D比が小さい、つまり人さし指よりも薬指が長いということは、子宮内でのテストステロン曝露量が高いことを示しています。
この場合、テストステロン値が高く、
【身体的・競争的行動】
スポーツでの攻撃的行動の増加/大相撲力士の番付と幕内生涯勝率の上昇/握力がより強い傾向(男性)
【認知・人格:攻撃性】
顔の知覚的支配性・男性性(男性)/感情移入の減少/高リスクな行動の増加(男性)/規範的行動の志向
などの特徴と相関関係にあるのです。
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