使い方だけでなく、カスタムだって自由にしてもらおうという発想
新製品に目を移してみよう。
「パンチングサイドテーブル」は、パンチングボードに差し込む板の位置や枚数次第で、棚やフックを自在に設計できるラック。
前出のマルチファイアテーブルやマルチハンガーを組み合わせて同じように使える拡張パーツも展開している。
使用例は
公式ウェブサイトをご覧いただきたい。
この「マルチスタンドplus」もシンプルで、使い道が多い注目商品。
天板は下で火を焚いてゴトク的に使えるほど熱に強いため、熱々のダッチオーブンを載せるなんて使い方をしてもビクともしない。上述のマルチファイアテーブルと連結させて使うこともできる。
また、足が緩いと感じたら自分で簡単に調整することも可能。これもシンプルな構造だからこそなせる技だろう。
最後に、独特な形状の焚き火台「CAMBi(キャンビ)」も紹介しよう。
よく見ていただければ気が付くとおり、尾上製作所のアイデンティティであるバケツをベースに作られている商品だ。国産にこだわり、戦国時代のかがり火をイメージして設計されたそう。
脚の長さが調整できるので、かがり火のように焚いてもいいし、低くして網を載せて焚き火料理をしてもいい。炭の火おこし用のファイアスターターとしても使える、これまたマルチな焚き火台だ。
このように、尾上製作所のギアはどれも汎用性が高く、シンプルなのが特徴である。
製品によっては塗装がされていないトタン素材剥き出しのものもあるが、あえてそうすることによって可能な限り値段を抑えている。
「塗装を外注に出すと値段が上がってしまう。それならば、これだけDIYが普及している世の中なので、塗りたいお客様にはお任せしてやっていただこう」と割り切ったのだそう。
尾上製作所のギアは、使い方やカスタムなど、手に入れてから自分色に染められる余白が残っていることも魅力なのだ。さて、あなたならどう使う?
[問い合わせ]尾上製作所079-232-1261www.onoess.co.jp「Camp Gear Note」90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
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