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子どもが出会った「縁」を見守ることが大切

大切なのは、子どもたちが遊んでいるときに何を試行錯誤しているのだろう、何に没頭しているのだろうと、周囲の大人が純粋に観察することです。
注目すべきは「できた」「できない」ではありません。学校の先生と同様、親も子どもの「思考の土台」を伸ばすことはできません。なぜなら「思考の土台」を作る「あそび」は、子どもが自主的に自分で選びとった「縁」でしか育めないからです。
その「縁」や環境を守り、子どもを見守ってあげることが大人の役割なのではないかと思います。

ダメじゃない、ダメなはずがない

僕自身は、だらしなくて片づけられない人間なのですが、だらしない自分もいいなと思っているので、だらしない子を見ても可愛くて仕方がない。
子どもにダメなところなんてない、と思ってやってきましたが、最後まで許せなかったのが「ズルさ」でした。それは僕自身が自分のズルさを認めていなかったからだと思います。
でも、ズルかろうがなんだろうが、ありのままのその子を認めることができたとき、僕自身が自由になれた。許せない自分からも解放されたのです。「子どもたちのことを承認する」なんて言いますが、実は、子どもたちを通して僕自身を解放させてもらっているのだと思います。
親御さんはつい、自分の子どものダメなところばかりを一生懸命見てしまうかもしれません。子どもは素直なので「ダメ」って言われたらそのまま受け止め、諦めてしまいます。
子どもが夢中で遊んでいたり、意味のない作業に没頭している姿に注目してみてください。本来持っている輝きが見えてきます。やがて、子どもを見る目が変わり、ありのままを認められるようになるはずです。だって、子どもは「ダメなはずがない」のですから。
 
この記事は、あそびのもりVol.55 Spring/Summer 2020の記事です。
記事提供:ボーネルンド公式ウェブサイト


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