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2021.06.25

かぞく

子どものやることにダメなんかない。カリスマ数学教師が語る子育てのヒント

当記事は「ボーネルンド公式ウェブサイト」の提供記事です。元記事はこちら
全国から授業視察が後を絶たず、ドキュメンタリー番組でも紹介されるなどカリスマ数学教師として注目されている井本陽久さん。
子育て中の多くの人に知ってもらいたい「子どもたちのありのままを認める」とはどのようなことなのか、お話を聞きました。

井本陽久さん
「いもいも」講師、栄光学園中学高等学校非常勤講師。栄光学園にて数学教師を27年間務めたのち、2019年度より非常勤講師に。花まる学習会「いもいも」講師として教壇に立っている。 http://imoimojuku.net/

子どものやることにダメなんかない。だから、ありのままを認められる

僕は幼い頃、気になったら試さずにはいられない、いつもひっきりなしに動いている子どもでした。自分の思うがままに遊んでいたし、「これやっちゃダメ!」なことを、とことんやっていました。
道路の側道にあるドブの中を歩くとか、電車のホームの端からおしっこをするとか…。それらは、僕の中では“サービスの一環”。まわりの人たちを驚かせたかったのです。
みんながやらないことに価値を感じていました。もしその頃の自分が目の前にいたら、僕でも怒ってしまうかもしれません。
そんな自他共に認める「悪ガキ」でしたから、家に苦情の電話がかかってきたり、学校から呼び出されることもしばしば。母はまるで日課のようにいつも僕をつれてどこかへ謝りに出かけていました。
ただ、僕自身が母から怒られた記憶は一切ありません。これをやったらいけないとか、こんなことはダメだなんて言われたことがなかったのです。
なんでも自由にやらせてくれる母から、僕は安心感と愛情をたっぷりもらいました。
母に会うたびに、その頃の話を尋ねます。「いろいろいたずらやってたじゃない?でもなぜ“ダメだよ”って言わなかったの?」。
すると母は決まって「子どもってそういうものだと思っていたから」と答えます。
僕の教育観は、間違いなく母の「子どものやることにダメなんかない」という考え方に強く影響されていると思います。



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