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「アウトドアメーカーである前に当社はバケツ屋である」

尾上製作所
「ONOE BUCKET BK10」3300円。「コストは度外視!」的な商品。
なかには、価格を抑えることよりも会社の信念を優先させて製品が開発されることもある。
例えば、上の写真にあるラクダのイラストが入ったバケツのお話。
ユーザーは意識していないかもしれないが、実はアウトドアシーンでは昔から尾上製作所のバケツがよく使われていた。(もしかして、あなたのも?)
その認知度を上げるために開発に着手したのが、このお洒落なバケツ。
尾上製作所
松明のような独特なフォルムが特徴的な焚き火台「CAMBi」5500円。これもバケツが原型となっている。
「アウトドアメーカーである前に、バケツ屋である」そんな意地だけで作られたバケツなのだそう。塗装は自社でできないため、外に発注。
国産にこだわり、持ち手には天然木の桜を採用した。結果、通常のトタンバケツの5倍近い価格になってしまったが、そんなことはお構いなしだ。
尾上製作所
焚き火台からテーブル、ギアハンガーなどなど、ラインナップは年々拡充中。
コロナ以降、日本には新たなキャンプブームが到来している。
ブームを支えるのは、ソロキャンパーやギア愛好家たちの存在である。彼らの中には、使い勝手の良さだけでなく、多少高価であっても見た目や希少性に価値を見出す人も少なくない。
そんな状況の中、尾上製作所が目指すのは、できる限り価格を抑えた製品を作ること、そして汎用性の高さを追求して揃えるべき道具の点数を減らせるキャンプギアの開発だ。
そこには、「キャンプはお金がかかるし、たくさん道具が必要だから行きたくない」と思わせないことこそが、アウトドア業界における自分たちの役割だとの自覚がある。
このユーザーフレンドリーなものづくりの姿勢は、初めてBBQコンロを手掛け始めた時から、今も変わらず彼らの根底に息づいている。
尾上製作所
[問い合わせ]
尾上製作所
079-232-1261
www.onoess.co.jp
「Camp Gear Note」
90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。 上に戻る
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池田 圭=取材・文 矢島慎一=写真


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