次世代キャンプカーとして推奨
アウトドア系雑誌の仕事が多いので、「とにかく荷物の載る車を」とハイエースが欲しかったんですが、人とカブらないという目線で、1997年式のデリカバンに4年ほど乗っています。飾り気のない骨太なデザインもなかなかのお気に入り。
でも、いつ止まるかもわからなくて。仕事に出る朝、なかなかエンジンがかからなくて焦ることもしばしば(笑)。なので、乗り潰したあとは、最新の車を選びそうです。
次の車として、PHEVは十分視野に入ります。が、あくまで仕事使いという視点で考えると、エクリプス クロスは選択肢に入ってこないですね。
ただ、スタイリストという目線では、次世代のキャンプカーに向いていると思います。アイドリング不要で電源が取れるのは、オートキャンプや車中泊などでとても便利。荷積みについても、コンパクトさが求められる今のトレンドのキャンプ用品ならば十分入ります。そして、何よりエコロジカル。
2020年のグッドデザイン賞を獲得したスタイリングも未来的ですよね。運転自体も好きで、用もないのにランサーエボリューションの中古車の出物をチェックしている身としては、三菱らしさにも惹かれます。
自分が、もしスタイリストでなければ、デリカバンと“ランエボ”の間に位置するような、このエクリプス クロスを選んでいるかもしれませんね。
| スタイリスト 佐々木智之 ファッションだけでなく、アウトドア関連のスタイリングも得意。自身も登山やキャンプなど、アウトドアライフを楽しむアクティブ派。最近ハマっているサーフィンにも愛車のデリカバンで赴く。 |
運転好きでも満足できる走り
ようやく世間が追いついてきたというか、三菱はいつだってちょいと気が早いというか。とにかく外部充電可能なプラグインハイブリッドシステム搭載のアウトランダーPHEVを2013年にはマーケットへ投入していた(ちなみに世界初リチウムイオンバッテリー搭載のBEVなんて2008年だ)。それは今なお上出来だと評価可能な、逆にいうと当時は衝撃的なシステムだった。
菱紋伝家の宝刀を今度はエクリプス クロスに積んだ。どうして今頃?という疑問もあったが、ディーゼルエンジン搭載車との入れ替えと聞けば何とか腑に落ちる。それはともかく。ガソリンエンジンと電動ユニットが持ち前の4WD技術を媒介にして制御するという高度なシステムは“格好いいSUV”系のエクリプス クロス(スタイリングも大幅変更)にこそ必要とされていた。
何しろ前後重量配分に優れ、重心高も低く、コンパクトクラスのSUVとは思えぬ走りを見せてくれるのだから。特に新たに追加されたターマック(舗装路)モードは三菱の面目躍如で、コーナーの形状を選ばずぐいぐいと曲がっていく。後輪の存在をより大きく感じるドライブフィールもまた運転好きを虜にしてやまない。
しかも車体の安定感が凄まじい、となれば、背の高いSUVをドライブしていることさえ忘れてしまいそうになる。もちろん普段は満充電で最大約57kmという電動航続距離を活かしたガソリン要らず生活を満喫できますしね。
| モータージャーナリスト 西川 淳 フリーランスの自動車“趣味”ライター。得意分野は、スーパースポーツ、クラシック&ヴィンテージといった趣味車。愛車もフィアット500(古くて可愛いやつ)やロータス エランなど趣味三昧。 |
高村将司=文