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怪我が家具修復へ情熱を注ぐキッカケに

そして2年前、ようやく私生活が落ち着いてきた矢先、窓枠を交換している時に屋根から落ちて両足首を骨折してしまう。レイノさんは何カ月もの間、寝たきりになった。
今でも歩くときには足を引きずっている。ところが、災いが転じて、療養中にミッドセンチュリーモダンの家具に興味を持つようになった。
「急に自由な時間ができたから、インターネットで自分が持ち帰れるようなお宝を探すようになりました。でも自分で動けなかったから、ガールフレンドにお願いして実際に取りに行ってもらうなんてやりすぎたミッションもありました。すっかり夢中になってしまってね。車椅子生活だったときも、木材を切ったり、ヤスリをかけたりしていましたよ!」。

ここ数年は、自宅を開放したセールやヤードセール、スワップミートなどに出向いたり、インターネット広告サイトのクレイグスリストや道ばたでも、彼が呼ぶところの「見込みあり」の戦利品を見つけている。
「例えば、ここにあるものは、いつもどうやって見つけたんだと驚かれます。でも、世界中の人々がハワイに訪れては、(ハワイを離れるときに)皆ここに残していくんです」。
それらの一部が、レイノさんの海岸沿いの工房にやってくる。工房では、壊れていたり、捨てられていたりした家具が分解され、組み立てられるのを待っているのだ。新しい命を吹き込まれたものは、待ち望んでいた顧客の手に渡ったり、自分の仕事をシェアしているインスタグラムにアップされたりする。

特に気に入っている修復作品に、アルテルーチェ・トリエンナーレのフロアーランプ、ハンス・オルセンのテレビボード、リチャード・シュルツのペタルテーブルなどがある。
レイノさんは「この時代のデザインについて、皆に知ってもらうようなこともやりたいな」と言い、「家具には本当にクールな可能性が詰まっているんです。クリエイティブに、そして忍耐強く取り組めばね」と続けた。
レイノさんの活動に関する詳細は、インスタグラムアカウント@hawaii_modern にて。
 
ケリー・グラッツ=文 写真=ジョン・フック 翻訳=上林香織
This article is provided by “FLUX”. Click here for the original article.


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