OCEANS

SHARE

日本製オールスターが沖縄にあった!?

創業当時のコンバース・ラバー・シュー・カンパニー。
「当時のオールスターは輸入が基本だったんですが、沖縄に流通するオールスターは日本での生産が許されていました。アメリカの軍人のために作っていたと思われます。当モデルはその時代のラストを使っています」(田中さん)。
アメリカ生産で始まったコンバースは現在、アジアに拠点を移したが、実は日本で作られていた時期がある。いや、正確にいえば途切れることなく作り続けてきた。
今も昔も製造を担っているのはムーンスターである。ムーンスターは1980年に米コンバースと代理店契約を結び、輸入のかたわら、ライセンス供与を受けて一部のモデルを作っていた。それが沖縄向けのオールスターだったというわけだ。
クラシカルな加硫釜に圧倒される。
話を戻そう。このオールスターは足を入れるとその履き心地も異なることがわかる。包み込まれるようなフィット感があり、そして踏み出しが柔らかい。
彼我の差は生産背景の違いに尽きるのだろう。その木型をベースにした釣り込み、加硫の具合。日本人の繊細な手仕事が履き心地に寄与しているのは間違いない。
ローカットモデルも同時に登場。1万3200円/コンバース 0120-819-217
ヒールラベルには“MADE IN JAPAN”の文字が、インソールには白地に赤でオールスターとプリントされた。後者は日本国旗をイメージしたものという。

コンバース アディクトの成功を追い風に

メイド・イン・ジャパンのローンチは2013年。ようやく安定供給が可能となったが、数年は生産が追いつかない状況が続いた。
そんなメイド・イン・ジャパン誕生の呼び水となったのがコンバース アディクトだ。
「インラインのコンバースは多くの店で手に入れることができます。それこそが定番の定番たる所以ですが、そうじゃない満足感を求めている“アディクト”な人々がいるのも確か。彼らの欲求に応えるために作ったのがその名もコンバース アディクトでした。2008年のことです」(田中さん)。
60年代のチャックテイラーや70年代のジャックパーセルをブラッシュアップしたコンバース アディクトは非常に高く評価された。この成功を受けて、オールスターでも何かできないかというところから辿り着いたのがメイド・イン・ジャパンだった。


4/4

次の記事を読み込んでいます。