「Running Up-Date」とは……「走ることは、ぶっちゃけツラい」と、
前回のインタビューで忌憚のないコメントを残してくれた沼田真親さん。
飾るところ、強がるところはまるでない。それでもランニングを無理なく習慣化しているランニングライフは、かなり心強い。
この“いい感じ”なスタンスはランニングスタイルにも現れていて、さすがアパレル業界人といった風情だ。
「何気ないけど気が利いている」アンルートのアイテム
アクティビティとシティスタイルをシームレスにつなぐユナイテッドアローズのオリジナルレーベル、アンルートの立ち上げメンバーでもあった沼田さん。
現在は他レーベルであるコーエンにて企画課長を務めているが、ランニング中のウェアは相変わらずアンルートを愛用している。
自分たちなりのランニングスタイルで「あったらいいな」を形にしていたのだから当然だ。
リアルな「欲しい」に根差したそのモノ作りは、ランナーとして信頼が置ける、と言ってもよさそう。
所有しているランニングウェアはモノトーンやグレー系が中心。
「走っていないときの普段のコーディネイトでも、色をたくさん取り入れるほうではないんです。多いのはネイビーやベージュ、ブラック、グレー、オリーブあたり。
メンズファッションのスタンダード的な色がほとんどです。だから走るときも、普段着の延長にある着こなしのほうが気分がいい。オレンジなどの派手なフラッシュカラーは苦手です」。
そもそもご自身のランニングの据え方が、スポーツというよりはライフスタイル&ファッションの一部、なのである。ゆえに今のようなウェア選びになってくるのは必然だ。
「かといって、どんな服でもいいかというと、そうではないんですよね。ちょっと気を遣っているモノがいい。
アンルートを企画していたときにも意識していたポイントで、走るためのTシャツでも、シルエットやデザイン面で気が利いているといいじゃないですか」。
「これは今のメンバーが企画した新作のラグランスリーブTシャツなのですが、フィット感がルーズで、ゆるめのボディサイズになっています。
タイムを狙うときに着られるほどのスペックはないかもしれませんが、自分のランニングスタイルなら全然あり。『ランニングでも街着と同じ感覚の好きなモノを着ている!』という気持ちの面でのメリットが大きく上回っています。
デザインもちょうどよくシンプルなんだけど、縫い目のカットの取り方などが小洒落ていて、センスいいですよね(笑)。ボトムスだけ変えればこのTシャツで街を歩けなくもない」。
デザインが最重要とはいえ、ランニング中に汗ビショにはなりたくないので、コットンの服は着ない。それはボトムスも同じ。
「このショーツの生地はマットな質感で、張り付きがなく、絶妙なシャリ感です。手前味噌で恐縮ですが、アンルートのモノは“ちょうどいい感じ”なんです」。
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