自然とカラダを動かしたくなる。ココロが無意識のうちに豊かになる。医食ならぬ“衣飾動源”と名付けたワードローブに光を当てる新連載。
オーシャンズ世代を代表するパフォーマー、EXILE MAKIDAIが着る、語る、踊る。
衣装が動きの中でどう映るか。ダンスで表現するときに、イメージします
「音楽がかかっていると、ついカラダが動き出します」。
スタジオのホリゾントに立つMAKIDAIは、長年のパフォーマンスの中で培われた流れるような動きを見せていく。圧巻のステージパフォーマンスとは違う、肩の抜けた感じがまたいい。そこに重なるように、小気味良いカメラのシャッター音が、オブリガートさながらに呼応。
「普段の服は、何かと黒を選んでしまいます。きゅっと引き締まって見えて落ち着く色です」。
切り替えパターンがグラフィカルなブルゾンと光沢のある太いパンツが、MAKIDAIの踊りに合わせて揺れ動く。服も踊っている。
「柄が入っていると、動きがよりダイナミックに見えてきます。衣装が動きの中でどう映るか。これは、音楽に合わせてダンスを表現するときに、イメージします。僕らの原点といってもいいかもしれません」。
今回、着用したのは、エンポリオ アルマーニ。記憶している人も多いだろう。MAKIDAIは、2010年春夏にエンポリオ アルマーニのオフィシャルイメージモデルを務めたという深い縁があるのだ。
「当時着用したものは、比較的ビシッとしたドレッシーなものでしたが、やはり、フィット感や素材の良さを感じました。今回のワードローブは、ゆるいシルエットで柔らかな生地。とても上質で、自由を感じる服。かなり動きましたが、それでもストレスを感じない。滑らかな印象です。10年前は、踊りませんでしたけれど(笑)」。
普段はしない挑戦ということで、全身白を纏ってもらった。
「感じるのは春の光。パンチングされているので、自分の動きや照明の当たり具合で、表情がキラキラと変わる。涼しげに映ります。また、揺れ感が出やすい太いシルエットのパンツは、見映えがいい」。
自らの動きが生み出す風になびくようにはためく、エンポリオ アルマーニの白い服。MAKIDAIの繊細な感性によって、新たな躍動を手に入れた。
「今回の撮影で、改めて服と動きが何かを生み出す、そんな新発見がありました。これから出会える服も楽しみです。がんばっていきますので連載、楽しみにしていてください!」。
MAKIDAI●1975年生まれ。日本を代表する人気パフォーマー、DJ。現在は、VERBAL、DJ DARUMA、白濱亜嵐とのクリエイティブユニット、PKCZでも精力的に活動中。プロダンスリーグ「Dリーグ」もサポートしており、WOWOW「Dリーグ マンスリーマガジン」のMCも務める。
片桐史郎(trolley)=写真 ツルユミケンイチ(STRING)=動画 笹川陽介=スタイリング 水野明美=ヘアメイク 髙村将司=文