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2021.04.24

からだ

人気トレーナーがぎっくり腰に! 筋肉があってもぎっくり腰は防げない!?

「ぎっくり腰」。何かの拍子で腰に力が入らなくなり、姿勢を変えようとすると激痛が走る……恐ろしい症状である。
日本フィジーク界の第一人者、有馬康泰さんもぎっくり腰に悩まされたひとりだ。

話を聞いたのはこの人!

有馬康泰●日本体育大学体育学部卒業。1999年に国際ライセンスを取得し、パーソナルトレーナーとして活動を開始。ゴールドジムを中心に10年以上のキャリアを積んだのち、2014年にパーソナルトレーニングスタジオ「Body Work Space EVOLVE.」を設立。初心者から俳優やアーティストの肉体改造に携わる。2018年 IFBB世界マスターズ選手権大会 40-44歳 第5位入賞など数々の実績を持つ。
毎日筋トレに励んでいる鉄人がなぜぎっくり腰になったのか。その真相を明らかにするべく、編集部は有馬さんのもとを訪ねた。
 

散歩中の有馬さんを襲った“魔女の一撃”

ぎっくり腰の強烈な痛みは、欧米で“魔女の一撃”と呼ばれるほど凄まじいという。
一般的にぎっくり腰になりやすいのは筋力の衰えた運動不足の人が多いと思われがち。にもかかわらず、毎日トレーニングを積む有馬さんが発症したのはどうしてなのか?

──いつぎっくり腰になったんですか?
今年の2月の終わりです。近所で犬の散歩をしていたとき、腰をかがめて頭を撫でようとしたところ、突然ズキッと痛みが走り腰に力が入らなくなったんです。
あれれ、と思って姿勢を変えようとしたら、ビリビリー!と腰から首まで電気が走るような激痛に襲われました
「これがぎっくり腰ってやつか!」と驚愕しましたね。腰を少し曲げ固定したまま、なんとかして自宅にたどり着きました。
──やっぱり相当痛いんですね!
痛いとか我慢とかいう問題ではなく、ちょっとでも腰を動かすとビリビリー!って激痛が走るんですよ。帰宅してから、さらに痛みがひどくなり、知り合いの治療院で診てもらったら、やはりぎっくり腰とのこと。
その日から辛い日々が始まりました。なにせ食事のときにお茶碗を持ってもビリビリー! 顔を洗おうとしてもビリビリー!(泣)。
とにかく腰を動かさないように生活していました。朝なんか、ベッドから起き上がるのに30分くらいかかるんですよ。
発症当時の様子を再現してくれる有馬さん。
──聞くだけでも恐ろしい。一体、ぎっくり腰って何なのでしょうか?
痛みに四苦八苦しながらも、トレーナーの血が騒ぎ、いろいろ勉強しました。ぎっくり腰は医学的に急性腰痛症といい、急に発症した腰痛全般を指します。
私のように前かがみの姿勢をとったり、急に姿勢を変えたりしたときなど、日常のふとした動作がきっかけで起こります。よく床に落ちたものを拾おうとして……という話を聞きますよね。
痛みの理由は、腰部の疲労が蓄積することによって、腰を支えている靭帯や筋肉に急に負担がかかって断裂を起こし、それが神経を刺激するケースが多いようです。また、腰の中央に連なる椎骨の関節とその周囲の膜、椎間板などが傷ついて神経を圧迫することからも起こりえます。


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