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運動不足だけが原因ではなかった!


──運動不足の人や高齢者がなりやすいというイメージがあります。有馬さんがぎっくり腰になるとは意外でした。
確かに、運動不足や加齢によって腰を支える筋肉が弱くなるのが原因のひとつといわれていますが、実際はぎっくり腰の直接の原因はほとんどの場合不明らしく、一概に「運動をしているとなりにくい」とも言いきれないらしいんです。
私の場合も、毎日トレーニングして、ストレッチも欠かさずやっていましたから。
──つまり、誰にでも起こりうる……。
ただ、心当たりはあるんですね。ぎっくり腰を発症した時期は仕事絡みでやることが多く、思えば3カ月ほど続いた心身のストレスによって自律神経が乱れ、睡眠など生活習慣にも大きく影響を受けていました。
 

長期間のストレスが発症率を高める⁉

──筋肉ではなく、自律神経ですか?
はい。自律神経とは私たちの意思とは関係なく、呼吸や脈拍、体温、消化、免疫、ホルモン分泌などの生命維持にかかわる働きを担っている重要な神経です。
自律神経には脳や神経を興奮させ、血管を収縮させて血圧を上げる交感神経と、血管を拡張して血圧を下げ、心身をリラックスさせる副交感神経の2種類があります。
心身にストレスがかかった状態が続くと交感神経が優位になり、筋肉は緊張状態が続いてしまってリラックスできません。もちろん、睡眠の質も下がります。こうした心身の緊張状態が長期間続いたことで、ぎっくり腰を発症しやすくなったんではないかと思うんです。
──有馬さんはどのようにして回復したんですか?
しばらくは横になるのも大変で……。ただ、最近の研究によると数日間安静にしたあとは体を動かした方がその後の経過がいい、とも言われています。
確かに腰をかばっているうちに、ほかの部分の筋肉もどんどんこわばってしまいます。私の場合は1週間を過ぎて痛みがましになってきた頃から、痛みを感じない範囲でストレッチを行って、毎日少しずつ可動域を広げていきました
──ほかにどんな治療をしていましたか?
整形外科にマメに通って、超音波治療を受けました。これは障害のある部分に温かい近赤外線を当てることで、血行を改善したり、緊張した神経を平常な状態に戻したりすることで、症状を緩和する器具です。温めるのは自律神経を整える上でもとても重要で、就寝時には温熱治療器を腰のあたりに敷いて寝ていました。
写真の酸素カプセルをはじめ、さまざまな方法を試したという。
──僕だったら整形外科へ行くのすら辛い気がします(汗)
自宅でのケアならオムロンの低周波治療器も役立ちました。治療したい部位にパッドを貼り付け、微弱な電流を使った「マイクロカレント」で治療していました。
さすがはプロのアスリートが使っているマシンだけあって、痛みがずいぶん和らぎました。私が使っているのはコードレスタイプの「HV-F601Tシリーズ」です。
オムロンの低周波治療器はアプリを使って、気になる箇所に電流を流す。

こうした24時間体制の治療に励んだ甲斐あって、有馬さんのぎっくり腰は急速に回復。約3週間の治療と独学のリハビリで通常のパーソナルレッスンに復帰した。その回復の決め手となったのは、有馬さん自身が編み出したトレーニングプログラムだったという。
次回は3週間に及んだリハビリ期間中、筋肉や関節の機能を改善させ、体重の増加も見られなかったという秘伝のメニューを紹介しよう。
【取材協力】
Body Work Space EVOLVE.

住所:東京都千代田区内神田2-2-5 光正ビル6階
営業:9:00~21:00(土・祝日は19:00まで)
定休日:日曜
www.bwsevolve.com
 
押条良太(押条事務所)=取材・文


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