OCEANS

SHARE

長く続けるには、走った自分を思いっきり肯定すべし!

ということで、かれこれ10年選手は目前。一時は「アンルート」という、よりスポーツにコミットした業態も手掛けていたほどだ。現在は主にウィークエンドランナーとして、週末に1時間くらい走るのが習慣だ。
「二度ほどフルマラソンの大会にエントリーをして、サブフォーを目指したこともあります。それぞれ自分なりに熱心に走り込みをして臨んだのですが、結果的に目標はクリアできず、しかも大会が終わったあとにバーンアウトしてしまいました。
しばらく走る気が起きなくなってしまって。目標を定めて自分を高めていく作業は、自分の性分に合わなかった。言い方はアレですが、ダラダラ続けているほうがいいと肝に銘じました」。
沼田真親
「朝走ったら、その日が1日すがすがしい。『よし、今日も走ってやったぜ!』という満ち足りた気持ち、達成感を得られます。良いテンションのまま、休日に突入できます。
体の面では基礎代謝も上がる。少々我慢してでも、走ると1日のクオリティが高くなるんですよね(笑)。その変化こそがメリットで、早起きして貯金しているような感覚でしょうか」。
対人スポーツ、チームスポーツでなく、自分ひとりで完結するところもポイントだった。
「あくまで自分の中の充実であり、自己肯定なんですよね。『自分、バランスいい過ごし方してるっス!』っていう。そう思えるのも長く続ける秘訣かもしれませんね。
実際に体重が落ちて健康的ですし、誰かに痩せたねって言ってもらえると単純に嬉しいですよね。ファッション畑の人間として体型維持は気にしたいところで、褒められるとそれをキープしたくなるじゃないですか」。
沼田真親
そんなスタンスだからこそ、気分が乗らないときは無理してまで走らない。雨の日、雪の日も走らない。
「だから走るという動作自体に楽しさは感じないのですが、走ることでの充実感はあります。何気ない日常の暮らしがいきいきとする。今後もマイペースで走り続けていきますよ」。
走ることは面白くないと感じている。でもランニングのメリットは知っているアナタにとって、沼田さんのスタンスはとっても興味深く感じられやしないだろうか。
ユル〜く走り続けていたって、10年選手になれるのだ。別に何かが向上しなくたって全然OK。その代わり、ちゃんと走ったときは自分で自分を褒めてあげましょうね。
RUNNER’S FILE 33
氏名:沼田真親 
年齢:50歳(1970年生まれ)
仕事:アパレルメーカー 企画課長
走る頻度:週末に1時間弱
記録:サブ4.5時間(2017年、湘南国際マラソン)
連載「Running Up-Date」一覧へ
「Running Up-Date」
ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。 上に戻る
礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真


SHARE

次の記事を読み込んでいます。