老舗だからこその佇まいと、老舗らしからぬフットワークの軽さ
100年前とは違い、現在はたくさんの保冷保温ボトルのブランドが市場に溢れている。その中でも、スタンレーが魅力的であり続ける理由は、性能はもちろん、ユニークなデザインと独特な雰囲気にある。
質実剛健を掲げつつも、どこかスマートさも併せ持つバランスの良さがストロングポイントだ。
例えば、ブランドの代名詞にもなっている「ハンマートーングリーン」。このカラーは、 スタンレーボトルが世に出始めた当時のアメリカでは、標準的な工業用カラーだった色である。
製品に導入され始めたのは、1950年代のこと。以降、このカラーは製品にスタンレーブランドの代名詞である「アウトドア」らしさを与えた。また、ミリタリーの用途にも適しており、実際に軍の装備品としても採用されている。
また、100年以上経過した現在も新しいことにチャレンジし続ける姿勢も、スタンレー らしさのひとつ。
近年も、新たに同ブランドの技術の集大成「マスターシリーズ」やヴィンテージな趣のある「レガシーシリーズ」など、スタイリッシュかつ最新技術が詰まったらラインも登場している。
また、家時間の増加に対応すべく、マグやドリッパーなどのコーヒー関連ギアや、量り売りビールのテイクアウトに対応するビアグロウラーなどを手掛けるなど、フットワークが非常に軽い。
ちなみに、創業者のウィリアム・スタンレー・Jrは研究開発に忙しく励む間、一日中温かいコーヒーを欲していたからこそ頑丈な魔法瓶が誕生したらしい。
まさに必要こそが発明の母。今も100年前も、アウトドアでも自宅でも、働く男には温かいコーヒーとスタンレーの魔法瓶がふさわしい。
[問い合わせ]ビッグウイング06-6167-3005www.bigwing.co.jp「Camp Gear Note」90年代以上のブームといわれているアウトドア。次々に新しいギアも生まれ、ファンには堪らない状況になっている。でも、そんなギアに関してどれほど知っているだろうか? 人気ブランドの個性と歴史、看板モデルの扱い方まで、徹底的に掘り下げる。
上に戻る 連載「Camp Gear Note」一覧へ矢島慎一=写真 池田 圭=取材・文