当記事は「FLUX」の提供記事です。元記事はこちら。警察官のクレイグ・ハナウミさん(42歳)が好んで言う冗談がある。あらゆる職業の中で、最もバットマンに近いのは警察官である、と。
「我々の車には特別な装備が付いています。防弾チョッキが入った制服に、道具が満載のベルト。そして、目的は悪と戦うこと。そんな職業はほかにありません」。
実は、仮面をつけた正義の味方と青色の制服に身を包んだ警察官との類似点は、道具や目的以外にもある。厳しい目にさらされていて、正体はたいてい秘密であり、法の執行者だと見なされていることだ。バットマンも警察官も制服で特徴付けられ、その下の素顔で判断されることはない。
ワシントン州ベルビュー警察に所属するハナウミさんは、ここ数年間「警察バッジに人間らしさを吹き込む」活動を通して、この状況に取り組んできた。関心と趣味を活かして人々の認識を変えるとともに、自分にしかできない方法で管轄地域と接してきたのだ。
「トゥデイ」や「ABCニュース」などのニュース番組でも特集が組まれて、「スケートボードに乗る警察官」として異例の活動範囲が紹介された。ハナウミさんはスケートパークや学校やコミュニティセンターを訪れて、活動の様子をインスタグラム(フォロワー数は3万4000人)に投稿する。
直接顔を合わせての人間関係も、SNS上でのつながりも築けるというわけだ。「時には善行を見るのもいいものです」とハナウミさんは語る。「残念ながら、(マスコミは)ネガティブな話題ばかり取り上げるので」。
ハナウミさんはオアフ島のアイエア高校を卒業後、2003年に警察に入り、カフクからワイマナロまでを管区とする第4区域を担当し始めた。雇用の安定性には魅力を感じていたものの、ハワイの高い生活費を気にせずにいられるほどの給与水準ではなかった。
2006年にベルビュー警察署に採用されてワシントン州へ移住したが、この年のメーデー(ハワイ出身の彼にとっては「レイデー」でもあり、レイを思い出す日だった)に、彼はシアトルの抗議活動の現実を思い知らされる。
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