楽屋話になってしまうが、編集会議において「デニムが最高に似合う男」としてたびたび名前が挙がるのが、俳優・反町隆史さんである。
渋みが増してきた男のデニム姿を今一度、誌面に収めたく、2年ぶりにオーシャンズにご登場願った。
デニムに対する今の気分をオーシャンズらしく表現
シャッターが切られるたびに自然な立ち居振る舞いを見せていく。2年ぶりの登場となる今回は、長く信頼関係を築いているスタイリストの二村毅さんとともに、今の気分を反映した着こなしで臨んでくれた。
「シンプルなものを着たい、という今の気分と、オーシャンズに抱いている爽やかで男らしいイメージを表現できるかなと思って選びました。それと、自分の好みがリンクできる絶妙なバランスで」。
雑誌のカラーを斟酌していいものを作ろうというプロフェッショナルな姿勢に、思わず現場の編集スタッフ一同も歓声を上げた。
「Gジャンは、久しぶりですね。モデル時代によく着ていましたが、しばらくご無沙汰していたので、今着ると新鮮に感じます」。
早速、デニムについての話を伺う。
「1本目は、中学1年生で買ったエドウインのケミカルウォッシュデニム。当時、ものすごく流行っていたんです。16歳でモデルを始めていたので、お気に入りのそいつを撮影現場にはいていったんです。そうしたら、スタッフやモデル仲間には、馬鹿にされて(笑)。今どき、はいているヤツいないだろ、とか」。
若かりし頃のエピソードを披露してくれた。さすが同世代。同様の思い出を持つ読者もいるだろう。
「タックが入ってテーパードしているタイプ。でも、何年か前に少し流行ったじゃないですか。時代は回っていくんだなぁと」。
その後、リーバイス501などの正統派を経由して、トム・フォード時代のグッチや、アー・ペー・セーなどに傾倒していくことに。
「シルエットは大事。それに丈の長さも。結構、時代の気分で、好みの丈の長さは変わってきます。この調整がいちばん難しいですよね。デニムに限らずですが。それに、革靴とスニーカーでも、合わせたい丈の長さが微妙に違う。そういう細かな見え方も気にするタイプなんです」。
本誌などのファッション誌がしばしば提案するような、着こなしのバランスについて言及するあたりに繊細な感性を滲ませている。
「ニットを着ているスタイリング。これは、本当に飾らずシンプルに合わせているだけ。それを大人っぽく着るには、素材と形が重要じゃないですか。上質なものを選ぶだけで見え方が変わってくると思います」。
所属事務所の公式プロフィールに、一問一答形式で反町さんが100の質問に答える動画がアップされている。その中で、「どんな洋服が好き?」という質問に「素材がいいもの」と回答している。そこに通ずるものがある。
「もちろん素材がいいと柔らかくて着心地がいいですから」。
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