バックグラウンドに共感し、納得したアイテムを使う
ランナーにとっての普遍的な課題のひとつ「スマートフォンを、いかにスマートに携行するか」問題。このあるあるへの太郎館さん流の回答は、クアッドロックというワンタッチのマウントシステムだ。
「モータースポーツ界隈では話題になっているアイテムで、対応のケース&マウントを使えば、45度ひねるだけでがっちりと固定できる利便性がいい。
クラウドファンディングで立ち上がって、瞬く間に支持を得て製品化されたものです。そういう背景を知って、共感や納得をしたら実際に手に入れて試したくなっちゃうんですよね」。
汎用性が高い点も魅力で、ランニング用のアームバンドだけでなく自転車用のマウントなども揃っており、自転車で移動する機会の多い今のライフスタイルにもぴったりハマる。
「スマートフォンのナビゲーションアプリを起動させながらでも安全にライドできます。この手のホルダーはスマホの上下を『カッチャン』と挟みこんで固定するタイプが多いけど、デザインがスッキリとしなくなるのがイマイチじゃないですか。
クアッドロックは装着すればマウント部分が隠れるので、実にスマートに携行できます。対応のスマホケースも意外と優秀で、耐久性はもちろん、指紋がつきにくいマットな素材。手触りも気持ち良いんです」。
ちなみに、そのスマートフォンでランニング中に聴くのは主にラジオ番組なのだそう。
「異業種や普段は親交のない人の新鮮な考え方に触れられますからね。イヤホンはアンカーの『サウンドコア リバティー エア2』です。8000円弱というフレンドリーなプライスながら“これで十分”なクオリティ。
アンカーのモバイルチャージャーの良さは実感していましたがイヤホンも期待以上で、Amazonのレビューでもかなり高評価なんですよね。ワイヤレス充電ができる点も感動しました。最近入手したガジェットの中でいちばん興奮したアイテムです」。
もうひとつ、ノーズミントなるスティックも最近の愛用品。
「取引先の方に紹介していただいたのですが、鼻がムズムズする今の時期に嗅ぐとスッキリします。走るときだけでなく、仕事中の気分転換にも良いですし、内容物の液体を不織布マスクに垂らせば消臭抗菌が期待できるミントマスクにもなるのだそう。スティックのデザインも洒落てますよね」。
太郎館さんが所有するものには、ストーリーや背景がある。適当に買うアイテムはひとつもない。だから一つひとつが長く使えるし、愛着も湧くのだそう。それはPR会社から独立した自身のスタンスにも通ずるとこがありそうだ。
「PRとしてできる仕事の範囲にちょっと限界を感じて、一歩進んだコーディネイターとしての仕事をしていきたいなと。インフルエンサーマーケティングが全盛で、ネット上に情報があふれている世の中では、対象に対する熱量があるかどうかや、その背景をしっかり追いかけられているかどうかがカギになると思うんです。
ファッションやランニングのアイテムであれば、実際に使ってみて、ポイントがちゃんと腑に落ちて、その魅力を自分の言葉で語れること。そこに労力を割けるかどうかが大切だと思います」。
「誰々が使っているから」と人に影響されるのではなく、モノやブランドそのものの背景を大事にしてきた太郎館さんらしいスタンスだ。
エンジョイ&ハードワークなライフスタイルも、お気に入りの“相棒たち”があってこそ、なのである。
RUNNER’S FILE 31 氏名:太郎館季道 年齢:40歳(1980年生まれ) 仕事:フリーランスコーディネーター 走る頻度:週1、2回、5km程度 記録:フルマラソン3時間58分 |
連載「Running Up-Date」一覧へ「Running Up-Date」ランニングブームもひと昔まえ。体づくりのためと漫然と続けているランニングをアップデートすべく、ワンランク上のスタイルを持つ “人”と“モノ”をご紹介。街ランからロードレース、トレイルランまで、走ることは日常でできる冒険だ。
上に戻る 礒村真介(100miler)=取材・文 小澤達也=写真