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東京オリンピックには世界のトップがやってくる

試合とそれ以外のフィールドで2つの種類のプロを生み出しているサーフィンの世界だが、影響力や収入はCTで活躍するコンペティターのほうが強くて多い。世界王者を決するツアーという側面を持つことから多様なメディアに取り上げられる機会は多く、その姿はサーフィンをしない人の目に映りやすい。
衆目を集める彼らは、現代サーフィンの魅力を波の上で表現することに加え、より前衛的なライディングに挑むことでサーフィンの未来の扉を叩き続ける存在でもある。そしてもしこの夏、無事に東京オリンピックが開催されればーー。
日本の海で、究極のサーファーとサーフィンに触れられる絶好の機会になると、糟谷さんは言う。
「太平洋高気圧が強く張り出す真夏の日本に良い波は期待できないとか、世界中が注目するなか千葉の小さな波で試合をするなんて、というネガティブな声があります。しかしどれだけ波のサイズが小さくても、彼らのサーフィンをその目で見れば、きっと驚かされるはずです。
それほど彼らのスキルにはすごいものがある。しかも生まれて初めて訪れたビーチの小波を難なく攻略するだけでなく、タヒチやハワイでのビッグウェーブまで涼しい顔をしてこなしていく。サーファーとしてのレベルの高さはため息がこぼれるほどですし、これぞ現代最高峰というものを、ぜひライブで体験してほしいですね」。
日本に世界のトップが集う機会は滅多にない。ツアーの1戦が開催されていた時代もあったが、2005年を最後に覇権を争う舞台は日本から消えた。世界的なタイトルを懸けた真剣勝負はそれ以来。
素人目にも「すごい」とわかるサーフィンを披露する彼らを相手に、日本人の選手はどこまで戦えるのか。世界と日本の距離が露呈する直接対決も、本大会の見逃せないポイントとなる。

ブライアン・ビールマン=写真 小山内 隆=編集・文


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