総年収が億を超えるサーファーも少なくない
多くの人が興味を抱くアメリカでのサーフィンは、スポーツであり、レジャーであり、ライフスタイル。
多様性があることからマーケットは大きく、そのため世界最高峰のコンペティションの舞台で活躍するプロサーファーたちは、トップアスリートと呼ぶべき存在感を放つ。彼らの収入は大会の賞金とスポンサーの契約金が主となり、合わせて億を超える選手も少なくない。
ちなみに最高峰ツアーのCTにおける今シーズンの優勝賞金は、男女とも1試合7万ドルに設定されている。全9試合が終了した時点の上位選手で世界王者を決めるポストシーズン「WSLファイナル」は20万ドル。これも男女同額だ。
「先日終わった全豪オープンテニスは優勝賞金が男女とも275万豪州ドルなので桁が1つ違いますが、それでも僕の選手時代に比べれば雲泥の差。格段と良くなりました。
選手はよりシビアに勝利を求め、近年ではトレーナーやコーチなどのスタッフをツアーに帯同させています。ライバルの絶対数が増えている側面もあって生存競争は激しくなっていますからね。
僕らのときは、カリフォルニア、ハワイ、オーストラリアが強い選手を輩出していましたが、今はブラジルが世界チャンピオンを生み出し、ヨーロッパ、中米、アフリカと、それこそ世界中のサーファーが頂点を目指すようになっています。試合後に酒を飲んで暴れるパーティアニマル的な選手は皆無。誰もがアスリート然としています」。
スポーティでクリーンな存在だから、クルマ、ハイファッションのブランド、飲料メーカーなど業界外の企業が多くの選手と契約している。五十嵐カノアは資生堂によるプロジェクトのアンバサダーを務め、メルセデスやポルシェにサポートされる選手もいた。
むしろサーフギアのブランドには給料以上に納得のいくクオリティを求め、生活や活動の費用には業界外からのスポンサーフィーを充てる。そうして海でのパフォーマンスに最大限の力を発揮できる環境づくりを目指すのが、現代のトップコンペティターの在り方なのだ。
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