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2021.04.04

ライフ

「アメリカでのサーフィンはどんな存在?」プロサーファー糟谷修自さんに聞いた

海にまつわる疑問をその世界の第一人者に聞いていく連載企画「the SEAWARD TRIP」。
連載リニューアルの記念すべき第一回目はスポーツ大国におけるサーフィンについて、ハワイ在住の日本人プロサーファー糟谷修自さんに聞いた。
 

F1界の絶対王者がパイプラインでサーフィン

プロサーファー糟谷修自さんに聞く「アメリカでのサーフィンはどんな存在ですか?」
プロサーファー 糟谷修自●1961年、千葉県生まれ。ハワイ・オアフ島在住。’82年に21歳でプロデビュー。’89年と’90年にJPSA(日本プロサーフィン連盟)の日本チャンピオンに輝く。現在は自身のサーフボードブランド「SKサーフボード」をプロデュースする一方、ハーレージャパン社でアドバイザーを務める。
世界で最もよく知られる日本人サーファー。糟谷修自さんはそう呼ばれて40年近くが経つ。長く海外のサーフコミュニティに身を投じてきたためだが、きっかけは国際レベルのサーファーを目指したことにある。
飛躍を求め、初めて海を渡ったのは10代後半。それからカリフォルニアへの短期留学や多くの国際大会出場を経験し、25歳でハワイ・オアフ島へ移住した。以来、本場の波で練習する生活は現在まで続く。だから養われた技量や感覚は60歳になった今もグローバル基準にあるのだ。
そんな糟谷さんに聞きたかったのは、アメリカにおけるサーフィンの存在について。
聖地ハワイや、サーフィンをファッションやライフスタイルに昇華させたカリフォルニアを含むアメリカは粉うことなきサーフィン大国。そして何よりスポーツ大国だ。4大プロスポーツのベースボール、バスケットボール、アイスホッケー、アメリカンフットボールは国民的な人気を誇り、ランニングやサイクリング、フィットネスといったスポーツ活動も盛んに行われている。
スポーツへの理解度と参加度が高いアメリカで、サーフィンに対する関心度はどのようなものなのか?この問いかけに、糟谷さんは「誰もが一度はトライしてみたいと思っている気がします。そして既に波に乗っている人にとっては、もう生活の一部になっています」と言った。
具体例として挙げたのは各界のセレブリティの存在。俳優やモデル、音楽家、芸術家たちがサーフデビューし、多くが楽しみ続けているのだという。
「一緒に海に入ったことがあるのはメタリカのカーク・ハメットとロバート・トゥルージロ。彼らはカリフォルニアやハワイでよくサーフィンしているし、少し前にはテキサスにあるサーフィン用ウェーブプールを楽しむ様子がニュースで紹介されていました。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのアンソニー・キーディスやフリーもキャリアは長い。そう、この冬にはルイス・ハミルトンがパイプラインに入っていたと聞きました。知人が隣で波待ちをしていて、なんでここにF1界の世界王者がいるんだと驚いたようです」。
冬のパイプラインは世界中から実力派サーファーが集うステージと呼ぶべきサーフスポット。波質は素晴らしく、そのラインナップに7度のワールドタイトルを獲得したF1レーサーがいる。それはまさに、サーフィン先進の地だから見られる光景なのだといえる。
ほか、世界各国の男子トップゴルファーが集うPGAツアーを回る選手のなかにもサーフィン愛好家がいると言い、映画『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』に出演した俳優クリス・ヘムズワースは自身のインスタグラムに多くのサーフクリップを投稿していると教えてくれた。
「僕らが始めた1980年代とは違い、今のサーフィンにはヘルシーなイメージがあります。だから若い女の子やリタイアしたシニア層も興味を示すし、とても大衆的なんです」。
昨年から続くコロナ禍のハワイの海は、長く学校が休校していたこともありサーフィンを始めたばかりの若者が多く見られたという。それは機会があればやってみたいと思っていた人たちが行動に移した結果であり、島で暮らし、また島を訪れる人たちのサーフィンへの関心度の高さを可視化したものなのだ。


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