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火加減が命。薪が燃えているうちは、料理にはまだ早い?

小雀陣二
これが熾火の状態。この火加減を料理の基本と考えよう。
「BBQも含めて、皆さんが失敗しやすいのが火加減です。炎が落ち着いたいわゆる『熾火(おきび)』の状態が、料理にちょうどいい火加減の目安。薪が燃え盛っているところで食材を焼こうとしても、すぐ真っ黒に焦げてしまいます」。
熾火とは、薪が燃え切って炭のようになった状態のこと。炎がないと食材が焼けないように考えてしまうが、炭化した薪は十分調理ができる熱を持っている。焼こうとし過ぎないことが、火加減のポイントだそうだ。
小雀陣二
ダッチオーブンを使ったローストは上下から火を入れる調理法。網で焼くグリルは弱〜中火が基本。
小雀さんは料理を進めながらも定期的に薪を焚べ、この熾火の状態を上手に保っていく。
「炎を思うままに操れるようになるのも、焚き火料理の魅力です。回数を重ねるたびに、焚き火が上手になり、思い通りに燃やせるようになります。
慣れないうちは料理と並行してではなく、まずしっかりと熾火作りに集中して、それから料理を始めると良いでしょう」。
ポイントは、細い薪ではなく火持ちのいい太い薪を使うこと。選べるならば、針葉樹よりも長く燃え続けてくれる広葉樹がおすすめだ。
小雀陣二
肉を吊るして焼いたり、炭の上に直接食材を置くワイルドな調理法も焚き火ならでは。
調理方法は実に多彩だ。網焼きだけではなく、こんなにいろいろな料理に焚き火が使えるのかと驚かされる。
「網焼き(グリル)以外にも、ロースト、ソテー、ホイル焼き、吊るし焼き、煮込みなど、道具と火の使い方でいろいろな調理ができます。料理や食材ごとに使い分けられるようになると、焚き火料理が一段と楽しくなりますよ」。
炭火に食材を直に置いて焼く調理法なんて、使いこなせたら仲間に一目置かれること間違いないだろう。
小雀陣二
キャンプの定番アクアパッツアも、焼いてから煮込むことで香りが加わる。


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