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2021.04.01

ライフ

グランドキャニオン、ヨセミテを日本に置き換えたら。国立公園を“活用”する新時代

グランドキャニオン、ヨセミテ、イエローストーンと聞いて、行ってみたいと思うかどうか。
知床、小笠原、慶良間諸島(写真)と外国人が聞いて、どう思うか。
知床、小笠原、慶良間諸島。国立公園のあり方を見直し、自然を“活用”する時代へ
これらは米国と日本の国立公園。そして日本の国立公園は、2016年から海外からの旅行者を含めた多くの人々の訪問を目指す時代に入っている。つまり、いっそうのブランド化をはかるということだ。
そもそも環境大臣が指定し管理する国立公園は自然の保護に比重があった。規制は強く、あまり人に入ってほしくないというイメージもあった。ただ、自然が法のもとに保護されることで稀少な動植物は生息でき、自然景観、多様な生態系、ひいては地域の歴史や文化をも未来に継承しようとしてきた面がある。
さて、「活用」を視野に入れ、従来の比重を変えようとする今、自然環境の破壊という懸念は残る。それでも保護と活用を両立し、より人と自然が近くなり、自然への理解が進む。そんな時代の到来を期待したい。
memo
福島県の磐梯山にはアルツ磐梯、猫魔というスキーリゾートがある。ともに経営は星野リゾートだが両者はリフトでつながっていない。だから行き交う場合は山を半周する必要がある。理由は国立公園内であるからだ。リフトが架かれば利用者の利便性を向上させるサービスも生まれそうなのに。と、これはあくまで一例。
「活用時代」を身のあるものにするには、こうした事案について管理者と事業者による前向きな会話が大切になりそうである。

高砂淳二=写真 小山内 隆=編集・文


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